「中国が初めて『資本輸出国』になった」。中国・グローバル化シンクタンク(CCG)がまとめ、中国社会科学院社会科学文献出版社が23日に発表した企業のグローバリゼーション青書「中国企業グローバリゼーション報告(2016)」によると、15年、中国の外資利用額は1356億ドル(約15兆3228億円)だったのに対して、対外直接投資額は前年比18.3%増の1456.7億ドル(約16兆4607億円)に達し、後者が100億7千万ドル(約1兆1379億円)上回った。このように、対外投資が初めて外資流入を上回り、中国は晴れて資本輸出国となった。 人民網が報じた。
青書によると、15年の中国の対外直接投資額は、初めて世界2位になり歴史的飛躍となった。この点について、CCGは、中国企業の対外投資は15~16年に「黄金期」を迎え、海外進出のチャンスも多く、その環境も理想的になっているとしている。投資先を見ると、中国企業はアジアや欧州、北米が多く、特に対米投資が人気を保っている。投資ルートを見ると、 クロスボーダーM&A(合併・買収)が右肩上がりで、グリーンフィールド投資の増加も際立っている。そして、投資の分野も多元化しており、うち最多は製造業だった。
その他、15~16年、中国企業の海外でのM&Aが急増している。青書の統計によると、現時点で、16年の中国企業の海外でのM&A金額は1108億ドル(約12兆5200億円)に達し、既に15年通年の1068億ドル(約12兆684億円)を超えたほか、14年の2倍以上になっており、買収額が初めて世界最多となった。
在サンフランシスコ・ニューヨーク中国総領事館の元経済商務参事官である、CCGの主任研究員・何偉文氏はこれについて、「中国企業のクロスボーダーM&A戦略の意義には肯定的な見方を示したものの、中国企業が投資している分野を見ると、不動産の割合が過度に高くなっており、ハイエンド製造業、特にバイオ医薬工業の買収や投資が遅れているという問題が存在している」と、スピードより質を追求するよう指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年11月24日
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