「中国の国有企業改革は非常に大きな成果を上げ、企業の国際競争力を増強した」。アルゼンチン・アジア事務コンサルティングセンターの責任者、グスタボ・シラド氏は先ごろ、『新華社』の記者による取材に対してこのように答えた。ここ数年にわたる中国の国有企業改革は著しい成果、大幅な収益改善、国際競争力の増強を実現し、国内外の専門家による広範な議論を引き起こした。
今年最新版の世界500強企業ランキングに中国の国有企業83社がランクインした。中国中車や中国遠洋海運など大手国有企業の改革・再編が順調に進むにつれて、企業の管理体制、運営システムなどが大きく変わり、国際競争力を有する代表的な国有企業が頭角を現した。
ロシアのモスクワにある国立研究大学高等経済学院(HSE)のピョートル・モジアス副教授は、新華社の記者に対し、中国の国有企業数が過去10年間で大幅に減り、収益の改善が続いたことが、中国国有企業改革の最も重要な実績の一つとの見方を示した。
2015年末時点で、中国国有企業の総資産は119兆2000億元、株主資本は40兆1400億元、売上高は45兆4700億元、純利益は2兆3000億元に上り、それぞれ2005年に比べ16.7%、14.2%、12.3%、9%増加した。
モジアス副教授は、中国の国有企業改革が国有企業の収益改善につながるだけでなく、国内市場の競争を活性化し、経済の活力を増進していると分析。実際に中国では、産業の参入障壁が次第に低くなっていき、民営企業と国有企業の間の競争が激しくなっており、様々な所有形態の企業が同じ土俵で競争することで経済の効率を向上させたとしている。
また、オーストラリア・シドニー大学ビジネススクールのハンス・ヘンドリスク教授は、新華社の記者に対し、中国の国有企業が不動産、農業、サービス業など競争の激しい業界に参入し始めたと指摘。十分な競争は、「より良い市場一体化、管理一体化、事業一体化」につながるとの見方を示した。
中国政府が国有企業のスリム化とゾンビ企業の整理を進めており、市場化を導く国有企業改革は、過剰な生産能力などの問題解決につながっている。コンファレンスボード(全米産業審議会)の中国経済専門家、ジュード・ブランシェット氏は、「中国大手国有企業の合併は、過剰な生産能力の解消や価格安定化の面で成果があるはずだ」と話した。
日本のキャノングローバル研究所(CIGS)の瀬口清之研究主幹は、新華社の記者に対し、「過剰な生産能力の削減は国有企業改革の目標の一つで、中国ではとても速いペースで大胆に進められている」と述べている。
当然ながら中国の国有企業改革は今も「進行中」の段階だ。海外の専門家は一様に、国有企業改革の継続的な深化が、中国企業の国内・海外市場での競争力を増強する上、中国経済全体の競争力も強化することになるとみている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月29日
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