侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館(南京大虐殺紀念館)の「嘆きの壁」に10日、新たに110人の犠牲者の名前が刻まれた。嘆きの壁には現在、1万615人分の名前が刻まれている。記念館新館が2007年に開放されてから、犠牲者の氏名が追加されるのはこれで5回目となる。
79年前の南京大虐殺で30万人以上の中国の同胞が犠牲になった。記念館が把握している犠牲者の名前は約1万5000人分にのぼり、うち一部は確認中のため、今年は壁に刻まれなかった。来年もこの取り組みを継続する。
中国民間対日賠償請求連合会の童増会長は12日、「連合会はこのほど駐日本中国大使を通じ、日本政府と安倍晋三氏に書簡を送った。日本政府に対して、日本軍が殺害した南京の亡き魂に謝罪し、第二次大戦中に日本軍に虐殺されたすべての中国人に謝罪し、日本が中国侵略により中国人にもたらした深刻な災いについて謝罪するよう求めた」と述べた。
童氏は「歴史は客観的で、第二次大戦の苦しみを深く味わった人々、無残な死を遂げた罪なき魂がこれを忘れることはない。世界の平和を愛するすべての人が目を開き、日本政府がどこに向かうかを注視するだろう」と強調した。
ユネスコは2015年10月9日、「南京大虐殺の記録」を世界記憶遺産に登録した。
童氏は「中国の記憶から世界の記憶に至るまで、我々は一歩遅れたが、たゆまぬ努力により最終的に日本政府に、南京大虐殺という歴史を直視させられると信じている」と話した。
中国政府の立場は同じく直接的で明確だ。中国外交部の陸慷報道官は7日「中国側は世界の正義と、第二次大戦後に確立された国際レジームの維持は極めて重要だと判断している。日本側が歴史への態度をただし、日本軍国主義の非人道的な罪に対して正確な認識を示し、実際の行動により中国を含むアジア被害国の人々から信頼を勝ち取ることが極めて重要だ」と述べた。
陸報道官は「もし日本側が深く反省し、心から謝罪したいのであれば、南京大虐殺遭難同胞記念館であれ、九一八事変記念館であれ、七三一部隊遺跡であれ、中国側には弔いを行える場が多くある。アジアの隣国にもこうした場が多くあり、日本さらには国際社会に第二次大戦時に加害国が被害国に犯した罪を忘れず、歴史を改竄しないよう促している」と強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年12月13日
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