2015年末の中央経済活動会議で、経済発展の「新常態」について「どう見るか」「どうするか」をめぐり、戦略的な計画が打ち出された。総需要を適度に拡大するとともに、供給側の構造改革に注力する方針が提起された。
「供給側の構造改革は市場の期待と信頼感を高め、生産分野のデフレを顕著に和らげる。工業企業の利益は改善が続き、固定資産投資の伸びは安定回復に向かう。経済成長率は合理的な区間を維持し、経済発展の新常態の特徴が一段と明らかになる。中国経済は減速傾向から安定に向かう条件が徐々に整う」と、国務院発展研究センターの王一鳴・副主任が指摘した。
■問題の本質に触れる深い変革
「供給側の構造改革推進は、経済発展の新常態に適応し、正しい方向に導く重大なイノベーションだ。また、世界金融危機後の新たな情勢に適応する主体的な選択であり、中国経済の発展の新常態に適応するための必要条件でもある」。
昨年の中央経済活動会議では、過剰生産能力の削減、在庫の削減、デレバレッジ、 コストの引き下げ、脆弱分野の補強、の5つの課題が重要ポイントとされた。
供給側の構造改革が正式に提起されてからこの1年で、考え方が徐々にはっきりし、方案が相次いで打ち出された。各部局や各地方政府でも改革についての認識が高まり、推進が加速、初期段階での効果が見られるようになった。
◇過剰生産能力の削減について
年間4500万トンの鉄鋼と2.5億トンの石炭生産能力の削減については、前倒しで目標を上回る数値を達成した。
◇在庫の削減
10月末までに、全国の分譲住宅販売待ち面積が8カ月連続で減少した。
◇デレバレッジ
10月末時点の工業企業の資産負債比率は56.1%と、前年同期比で0.7ポイント低下。現時点で、10社の企業と金融機関が市場化による債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ、DES)協議に署名しており、総額1600億元に上る。
◇コストの引き下げ
10月の一定規模以上工業企業について、本業売上100元に対するコストは85.73元と、前年同期比で0.13元低下した。年間合計では企業コストが1兆元引き下げられる見込み。
◇脆弱分野の補強
10月末までに、46万人の貧困層を新居に移転させたほか、年初に新規着工を計画した20項目の重大水利プロジェクトは全て着工し、インフラ整備はソフト面、ハード面ともに加速している。
数字の後ろでは、中国経済の安定成長、構造調整、効果拡大を求める考え方が日増しに明確になっている。
中国の構造改革に対する強烈なシグナルに対して、世界は肯定的に評価している。「供給側の構造改革は中国の経済成長の潜在力を高め、世界経済に活力を注入する」と、アジア開発銀行の魏尚進チーフエコノミストは語る。
■改革深化の年、戦略的モチベーションの維持、将来を見据え、安定の中で進展を求める。
先ごろ開かれた中央政治局会議では、2017年は供給側構造改革深化の年だと明らかにされた。「難題に挑む」姿勢から「深化」へと、供給側の構造改革は深く歩みを進める。
国家発展改革委員会の徐紹史主任は「『十三五』計画(第13次5カ年計画、2016~20年)の将来の発展に目を向け、供給側の構造改革推進を軸に据え、経済の健全で安定的な発展促進の根本手段とする必要がある。総需要の適度な拡大、経済制度改革の深化を通じて、5つの重要課題の相互作用を有機的に結び付け、長期的に効果的な仕組みの構築に注力し、それぞれの取り組みをしっかりと進めるべきだ」との見解を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年12月13日
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