今年1月1日、中国は正式にBRICS議長国を引き継ぎ、BRICS協力は「中国の年」に入る。BRICS協力は20年目に入る。今年9月、第9回BRICS首脳会議が中国の厦門で開催される。新年早々、習近平国家主席はBRICS各国に書簡を送り、議長国就任中のBRICS協力推進の構想を説明した。「中国側は各加盟国と共に、『BRICSパートナーシップを深化し、より明るい未来を開く』とのテーマをめぐり、協力の共通認識を形成し、協力のビジョンを計画することを期待している」。(文:賈晋京・中国人民大学重陽金融研究院首席研究員。人民日報海外版「望海楼」掲載)
2006年9月にBRICS外相は第61回国連総会期間に第1回会議を開き、BRICS協力制度を正式に確立した。その後の10年間、BRICS諸国は世界経済の成長促進、グローバル・ガバナンスの整備の面で際立った貢献を果たした。
過去10年間、BRICS協力は経済と政治の「両輪」駆動を堅持し、南南協力の新たなルートを切り開いた。2014年にBRICS諸国は外貨準備基金を創設、2015年にはBRICS開発銀行を創設し、加盟国の経済統合は重要な歩みを踏み出した。同時に、各国は国際問題に広範に関与し、テロ対策、対過激主義、アフリカ問題などの面で高度の共通認識に達した。過去10年間のBRICS協力は、すでに通常の意味の経済的互恵を超え、国際政治・経済の各分野の調整と協力という戦略的高みに達していることが分かる。
新たな10年、BRICS諸国は経済的には新たなグローバル化のエンジンとなる。国際経済の「下押し長周期」の底がまだ見えなく、深いレベルの影響がまだ続いている中、BRICS諸国は試練に直面すると同時に、新たなグローバル化をリードする機会も迎えている。BRICS諸国の経済は相互補完性が高く、ブラジル、南アフリカなどの資源型国家もあれば、インドという「世界の事務室」と中国という「世界の工場」もあり、新興国としてBRICS諸国は経済成長期にある。同時に、BRICS諸国は創設以来一貫して国際金融秩序の改革者であった。今後10年間、BRICS開発銀行及びBRICS外貨準備基金の制度の下、BRICSは新たな世界経済発展のリーダー、新たなグローバル化のエンジンとなる。
新たな10年、BRICS諸国は国際問題でグローバル・ガバナンスの深い関与者となる。世界経済の不均衡状態を変え、グローバル・ガバナンスへの途上国の関与を強化し、全体的発言権と政策決定権を高め、共に平等な世界秩序を構築する必要がある。グローバル・ガバナンス面でBRICS5カ国は協力を深め続ける。昨年のG20杭州サミット期間に開催したBRICS首脳会議で、習近平国家主席はBRICS諸国がグローバル・ガバナンスを共に整備し、新興国と途上国の代表性、発言力を高める必要性を打ち出した。2016年のゴアサミットで、BRICS諸国は「テロ対策という主題」を強調し、平和で安定した国際秩序を積極的に築くとした。国連の事項、中東と北アフリカの情勢、アフガニスタン情勢など一連の重大な国際・地域問題について、5カ国は共通の立場を表明した。これは、今後BRICS諸国が世界経済ガバナンスの変革を推進するだけでなく、政治、安全保障分野でも協力を一層拡大することを意味する。
2017年、BRICS協力は今後10年間の発展の新たな段階へ入り、途上国の声を一層全世界に発する。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年1月6日
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