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中国宇宙事業の2017年の諸目標 月面からの土壌サンプル回収など

 

中国の宇宙事業にとって2016年は、次世代キャリアロケットの「長征5号」と「長征7号」の初飛行成功、海南文昌衛星発射場の正式投入、宇宙ステーション「天宮2号」と「神舟11号」の有人飛行任務の成功など、さまざまな成果が続出した年となった。中国の年間宇宙機打ち上げ回数は、ロシアの17回を超える22回に及び、米国と並んで世界トップとなった。

2017年、中国の宇宙事業はさらなる発展を実現する見通しだ。記者の得た情報によると、中国は今年、年間約30回の打ち上げミッションの実施を計画しており、有人飛行や月探査プロジェクト、北斗衛星ナビゲーションシステム、高解像度地球観測システムなどの国家科学技術重大特定プロジェクトが引き続き推進されるほか、通信衛星やリモートセンシング衛星、科学実験衛星、商業宇宙分野でもそれぞれで成果が見込まれる。中国の宇宙事業で特に期待のかかるプロジェクトを見てみよう。

補給船「天宮2号」で宇宙への「速達」が可能に

中国有人宇宙プロジェクト弁公室の王兆耀主任によると、中国初の宇宙ステーション補給船「天舟1号」は2017年上半期に海南文昌衛星発射場からキャリアロケット「長征7号」で宇宙に送られ、「天宮2号」とランデブー・ドッキングし、推進剤補給などの試験を行う。

北京航天飛行制御センター(BACC)の李剣・副主任が『科技日報』記者に語ったところによると、「天舟1号」は中国がまったく新たに設計した宇宙機となる。同機は、それぞれ別に設計された2つの推進剤保管タンクを持ち、「天宮2号」に推進剤を送り届けることができるだけでなく、自身の推進剤を「譲渡」することもできる。

「嫦娥5号」で月からの土壤回収を実施

中国国家航天局(宇宙局)の呉艶華・副局長が明らかにしたところによると、中国は2017年12月前後、探査機「嫦娥5号」を打ち上げ、月面軟着陸とサンプル回収を実施する。これは、中国月探査プロジェクトの3ステップ、「周回」「着陸」「回収」の最後のステップが間もなく完了することを意味する。

中国月探査プロジェクト第3期のチーフデザイナーの胡浩氏によると、「嫦娥5号」の重量は8.2トンに達し、中国で現在推力が最も大きいキャリアロケット「長征5号」によって打ち上げられる。今回の任務では、中国の宇宙事業の展開以来の4つの「初」の実現が見込まれている。(1)月面からの初の自動サンプル採取、(2)月面からの初の離陸、(3)38万キロ離れた月軌道上での初の無人ランデブー・ドッキング、(4)月面土壌を携えた第二宇宙速度(地球脱出速度)に近い速度での初の地球帰還――の4つである。

 

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