日本の政治評論家の伊藤淳夫氏は、真珠湾は米国の首に刺さったトゲ、広島は日本の首に刺さったトゲと考えている。日米首脳はこの敏感な場所を相互訪問することで、戦後の一つの段階に「区切り」をつけようとしている。しかし日本は米国との間だけでなく、その他の国との間にも同じく戦後の歴史問題を抱えている。そのため日本が戦後に区切りをつけようとしても、容易なことではない。
27日付ウォール・ストリート・ジャーナルは、安倍首相は真珠湾訪問でオバマ大統領に別れを告げ、次期米大統領に当選したトランプ氏にアピールしていると報じた。安倍首相は米国が中国をけん制する必要性を認識した上で真珠湾を訪問し、「賢明な政治」を示している。トランプ氏が、アジアの同盟国があまり頼りにならないと気付けば、日本がアジア太平洋での役割を拡大することができる。朴槿恵大統領の後を継ぐ新大統領は極左の可能性があり、豪州はすでに南アジアの航行の自由作戦から撤退している。米国を遠ざけ中国と親しくするフィリピンのドゥテルテ大統領も読みにくい人物だ。そのため安倍首相は米国に対して、日本が依然として信頼できる同盟国であることをアピールするだろう。
ワシントン・ポストは、トランプ氏が大統領選中に強硬な外交政策を打ち出し、在日米軍を疑問視し、核の保護をやめると脅迫し、TPP離脱を宣言する地政学的背景のもと、オバマ大統領と安倍首相がハワイで犠牲者を慰霊したと報じた。安倍首相はさらに、トランプ氏が台湾に歩み寄ることで、中国大陸部が台湾海峡や中米関係の問題に対応する際に、日本をも巻き込むことを懸念している。米外交問題評議会の日本問題専門家であるシーラ ・スミス氏は、トランプ氏のもたらす不確定性は依然として日本が直面している最大の課題であり、安倍首相がいかにトランプ氏をしっかり抱き込み、日本が良き同盟国であることを証明するかを見守る必要があると判断した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年12月28日
|