現在位置: ニュース>政治
トランプ氏がトヨタに警告 神経尖らせる日系企業

 

まもなく米国の大統領に就任するトランプ氏が、このほどツイッターでトヨタを名指しして警告を発し、メキシコに新工場を建設し、そこで製造した自動車を米国に輸出しようとするなら、高額の関税を課すと述べると、6日の東京証券取引所ではトヨタの株価が急落し、前取引日に比べた下げ幅は3%を超えた。中国新聞網が伝えた。

この間の市場の分析によれば、6日に取引が始まると、日本のトップ自動車メーカーの海外事業でのマイナス影響への懸念から、トヨタ株は売り注文が広がった。

影響を受けた日系自動車メーカーはトヨタだけではない。すでにメキシコに工場を建設しているマツダ、日産、ホンダなどの各自動車銘柄も、6日は軒並み株価が下落した。投資家は「トランプ新政権」という要因が日系自動車メーカーに予測困難な変数をもたらすかどうかについて、様子見の態度を取っている。

こうした状況を受けて日本の自動車産業が神経を尖らせていることは明らかだ。分析によると、米国の次期大統領が日系自動車メーカーを名指しして批判するというのは、「前代未聞」であり、市場の投資家は今後の動きに警戒せざるを得ないという。

トヨタの豊田章男社長は、「トヨタは現時点では計画を見直す予定はない」と述べ、トランプ氏が就任後に実施する政策は自動車メーカーへの影響が大きいので、今後の動向に注目するとの考えを示した。別の日系大手メーカー日産のカルロス・ゴーン社長も、「(トランプ氏が)大統領に就任する1月20日からどんな新しい政策が出てくるかを注視している」と述べた。

同じくメキシコで自動車を製造するホンダは、生産配置を変更する考えはないとコメントすると同時に、引き続きトランプ氏の政策に注目していくと述べた。マツダは、メキシコは今後も重要な生産拠点であり続けるとしている。

トランプ氏はこれまでに北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを示唆しており、日本の自動車産業は、「トランプ氏が就任して関税が30%も引き上げられるといった極端な状況になれば、メキシコを拠点に米国市場に製品を輸出する製造モデルは成立しなくなり、生産配置の再考を余儀なくされる可能性がある」と懸念を示す。

メキシコは安価な労働力に加え、NAFTAにより北米などへの関税が免除されるといった有利な条件があるため、日系自動車メーカーの重要な海外生産拠点になっており、年間生産量は130万台を超える。こうした状況が変化すれば、日系メーカーの海外経営に大きな影響を与えることは確実だ。

自動車産業は日本の基幹産業であり、日本政府高官は今回の件で前に出てコメントを発表せざるを得ない。麻生太郎副総理兼財務大臣はうらめしい表情で、「トヨタがアメリカ国内でつくっている車両はどれくらいなのかアメリカの新大統領の頭の中に入っているかどうか疑問だ」と述べた。

日本の菅義偉官房長官は6日の記者会見で、「(トランプ氏は)まだ就任前だ。現時点で予断するのは控えたい」と述べると同時に、「トヨタは、米国にとっても良き企業市民であろうと心掛けてきた」と指摘した。また安倍内閣のもう一人の「重臣」の世耕弘成経済産業相は、「部品メーカーなどを含めた日本の自動車産業は、アメリカで150万人を雇用している」と述べ、日系自動車メーカーの米国経済に対する貢献を強調した。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2017年1月9日

 

 

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。 京ICP備14043293号
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010)6831-3990  FAX: (010)6831-3850