現在位置: ニュース>政治
トランプ氏が就任へ、中米関係への影響は?

 

ドナルド・トランプ次期米大統領は今月20日、宣誓式を行い就任する。中米関係は新たな時期を迎える。シンクタンク・盤古智庫が14日に開いた「トランプ時代の中米関係のビジョン」フォーラムで、国内外の専門家は「中米関係の現状」「トランプ政権の対中政策」「中米関係の動向」などの議題をめぐり、各自の観点を示した。

【隠れたヒマラヤ】

大国間の親密度は、国際関係の安定のバロメータとされている。世界1・2位の経済国である米国と中国の関係は、自ずと国際舞台で重要な意味を持つ。

中国国際問題研究院常務副院長の阮宗沢氏は「これまでと比べ、中米関係には非常に重要な変化が生じている。米国が中米関係の変化になり、中国が不変になったことだ。中国はこれまで変化を続けてきたが、今や大きなリスクは米国から生まれている」と指摘した。

盤古智庫インド研究センター顧問、前駐インド中国総領事の劉友法氏は「隠れたヒマラヤ」という表現で、中米関係を形容した。「中米の政治体制、世界戦略、外交政策はいずれも異なる。この差により、頻繁に齟齬が生まれる。経済発展段階を見ると、中米の差は大きく、世界の生産チェーンの両極端を占めている。いかに両国関係の基礎を固めるかが懸案事項になっている」と話した。

【中米関係の懸念】

トランプ氏は親中派ではなく、正式な就任まで残すところ1週間内になっても、内政・外交の方針は予測し難い。

トランプ氏は経済面で、中国からの輸入品に45%の関税をかけ、さらに中国を為替操作国に指定すると述べた。中国現代国際関係研究院副院長の袁鵬氏は「中国製品の関税を増やすことは、米国経済にとって有利とは限らない。為替問題も中米間の最も重要な問題ではなく、一部の米国人は元安を懸念しているほどだ」と述べた。

台湾地区の指導者である蔡英文氏とトランプ氏が電話会談したことで、台湾問題の敏感性が再び浮き彫りになった。トランプ氏が台湾問題で、危険な動きをすることが懸念されている。袁氏は「蔡氏とトランプ氏が電話会談した後、米メディアもこれを批判した。蔡氏が中米訪問で米国を通過した際に、トランプ氏のチームも自制を示した」と話した。

袁氏は、米露関係が好転した場合、中米・中露関係に影響が生じるかについて「米露関係の今後は順風満帆とはいかないだろう。トランプ氏は米露関係の発展に取り組むと表明したが、これは米国と欧州の関係に影響を及ぼし、かつ国内のエリートから反対されるだろう。また現在の中露関係はウィンウィンであり、中国は米露が正常な関係を取り戻すことを歓迎する。また中露関係の深化、中米関係の発展を続ける」と指摘した。

袁氏は米国が南中国海問題で中国を非難する可能性について「米国の安全面の急務は、イスラム国への攻撃だ。南中国海問題については一定の準則が形成されており、中国のフィリピン及びベトナムとの関係が徐々に発展している。そのため中国にとって、南中国海問題は調整可能だ」と判断した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年1月16日

 

 

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。 京ICP備14043293号
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010)6831-3990  FAX: (010)6831-3850