中国が主導する、57カ国から成るアジアインフラ投資銀行(AIIB)が開業1年を迎えた。米フォーブスのウェブサイトは14日、「AIIBはどのように1年を過ごしたのか」と題した記事を発表し、AIIBの1年の成果について肯定的な評価をしている。記事は、AIIBの設立が発表された当時、中国がこれを利用して国家権益を高め、環境や人権の基準を下げるという懸念が専門家の間であったが、幸いなことにそれは起きなかったと記す。「AIIBは想像するほど恐れるべきものではなかった」、「AIIBの1年は成功した1年と言える」などと評している。
AIIBの1年間の成果が発表された。9つのプロジェクトが承認され、融資総額は17億ドル。プロジェクトにはバングラデッシュの配電システムの改善・拡張プロジェクト(1.65億ドル)や、パキスタンの高速道路プロジェクトなどがある。フォーブスは、金立群総裁がAIIBをうまく率いていると評価。同氏は世界銀行やアジア開発銀行(ADB)で幅広い経験を持つ。金総裁の下、投資協力者の協力の中、AIIBは学び、発展を続けている。
記事は、「もしAIIBがパキスタンやアゼルバイジャンに対し、独自に融資を増やしていくなら、中国が“人権を軽視する国”に加担しているとみなされるだろう。しかしAIIBは世界銀行を始めとする国際機関との協力を選択し、環境や人権問題に対する、透明で有効な背景調査を行った。このことは、争議のある地域と悪い取引をしているという懸念を取り払う手助けになった。また、パキスタンではアジア開発銀行と合作したり、アゼルバイジャンでは世界銀行と合作したことも、両国との取引に潜む潜在的問題を避けることができた」と評価する。
また本質的にAIIBは、中国の政治や経済利益に影響されるような偏ったことはしていない。中国企業の直接投資の許可や自然資源の獲得を投資先に迫ったりしていない。AIIBの融資は「戦略的だ」と記事は述べる。多くのプロジェクトは中国の“一帯一路戦略”の重要な要素となっている。「AIIBの協力の下、中国はソフトパワーを発揮させることができている。経済利益を拡大させると同時に、世界で認められるようになっている」。
中国現代国際関係研究院の陳鳳英研究員は15日、「環球時報」の取材に対し、「1年前、海外世論はAIIBに対するマイナスの意見があった。当時の西洋の批評は非理性的なもので、先入観に基づく批判が多かった。しかし1年が過ぎ、AIIBの管理体制が国際的にリンクしたものであり、イノベーティブなものであることが、彼らにもわかるようになった。また彼らは、中国がまた同じことをやり始めたわけではないことを知った。AIIBは真剣に国際化路線を歩み、国際機関と協力している。プロジェクトへの投資も非常に慎重に行っている。また、現在も多くの国がAIIBへの加入申請をしていることは、AIIBが良いものであることを証明している」と解説する。同氏は、中国のソフトパワーは評判が高く、大きな「友人圏」を形成しているとした上で、もしAIIBが今後もうまく発展していけば、アメリカや日本も加入する可能性が高いと述べる。
中国網日本語版(チャイナネット)」2017年1月17日
|