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AIIBが開業1年 米メディア「想象していたような怖い存在ではない」

 

中国主導の国際金融機関・アジアインフラ投資銀行(AIIB)が開業して16日で1年が経過した。環球時報が報じた。

発展途上国主導としては初めての国際開発金融機関となったAIIBはこの1年で、非凡な成果を収めてきた。57ヶ国を創設メンバーとして発足し、その75%がアジア諸国だった。

「人民日報海外版」の14日付の報道によると、AIIBは既に加盟の申し込み書を20ヶ国以上から受け取っており、17年にはそのメンバー国は約90ヶ国になる見込みだという。

AIIBの成果はメンバー国の増加だけではない。承認された融資を見ても、AIIBが幸先の良いスタートを切っていることが分かる。AIIBが発表した「2017年業務発展計画・予算」によると、開業1年目の16年は、アジアの発展途上国7ヶ国計9件に融資があり、その総額は17億3千万ドル(約1984億円)だった。

17年の展望について、AIIBの金立群・総裁は、「初めて資本市場に入る債券発行の融資業務を適切な時期に行う」としている。

16日、金総裁は、「人民日報」に掲載された記事で、「16年、AIIBは、新しいメンバー国を受け入れる業務を適切な時期に行った。現時点で、30近くの地域内外の国やエコノミーがAIIBに加盟する申請を出している。AIIBは発展途上国を主体とすると同時に、先進国のメンバーもたくさんおり、その特有のメリットがアジア地区や世界の共同発展を促進する重要な架け橋、きずなとなるだろう」との見方を示している。

「中国のAIIBはどのように1年を過ごしたか」について米誌フォーチュンのネットサイトは14日付の記事で、積極的な評価を下している。同記事は、「AIIBの設立が発表された当初、『中国はそれを利用して、国家として利益を得て、環境や人権に関する基準を下げようとしている』と批判する声もあった。しかし、幸いなことにそのような事態は起きていない。AIIBは想像していたほど怖い存在ではない。AIIBの1年目は成功の年だったと言える」としている。

報道によると、AIIBが、パキスタンやアゼルバイジャンなどで、独自に融資を増やせば、「人権が軽視されている地域に偏っている」と見られかねない。しかし、AIIBは、世界銀行などの国際機構と連携する道を選択し、環境や人権などの問題において、透明性が高く効果的な背景調査を実施した。それにより、論争がある地域で思わしくない取引が行われているのではないかという懸念を消すことができる。

報道によると、AIIBは本質的に、中国の政治や経済にとって利益のあることに偏ったことをしているわけでなく、投資先の地域に中国企業の直接投資を認めることや自然資源の獲得を強要しているわけでもない。これは、「中国はアフリカで『帝国主義の様相を呈した』インフラ建設への投資を行っている」や「中国は人権や環境問題を無視している」という声とは全く異なる。報道はまた、「AIIBの融資は『戦略的』で、多くのプロジェクトは中国の『一帯一路』(the belt and road)構想の重要な要素である。また、AIIBのサポートの下、中国はソフトパワーを発揮し、経済利益を拡大させると同時に世界の舞台で認められるようになっている」としている。

中国現代国際関係研究院の研究員である陳鳳英氏は15日、「環球時報」の取材に対して、「1年前、海外ではAIIBに対する批判的な声があった。当時の西洋の見方は非理性的で、先入観にとらわれた批判が多かった。しかし、開業から1年が経ち、AIIBの管理体制が国際的に認められているスタイルであり、イノベーションもあることに気付くようになっている。そして、中国は新たに事業をやり直しているのではなく、本当に実りあることをしていることが知られるようになっている。AIIBはグローバル化の道を歩み、国際機構と連携しており、プロジェクトへの投資も非常に慎重。その他、さらに多くの国がAIIBへの加盟を申請しており、AIIBが信頼できるものであることを示している。また、中国のソフトパワーは好評を博し、たくさんの『フォロワー』を有している。AIIBがこのまま発展を続ければ、米国や日本が加入する可能性もある」との見方を示した。(編集KN)

 

「人民網日本語版」2017年1月17日

 

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