習近平国家主席は17日に世界経済フォーラム2017年度年次総会(ダボス会議)開幕式で基調講演を行い、経済のグローバル化をゆるぎなく推進する必要があると強調した。人民日報は18日に発表した論評の中で、「世界が複雑な要因と不確定性に満ち、『反グローバル化』の流れが密かにわき起こる中、習近平氏の基調講演は、時代に合わせて行動する、開放的で包容力を備えた大国としての役割を示すもので、復興への力不足に陥った世界経済に強大なプラスのエネルギーを注入するものといえる」との見方を示した。
論評によると、「習近平国家主席が指摘したように、世界を苦しめる問題の原因を単純に経済グローバル化に求めるのは、事実に合致せず、問題の解決にもプラスにならないことだ。経済グローバル化は『諸刃の剣』だ。世界経済は下降期にある今、成長と分配、資本と労働、効率と公平という矛盾の激化を避けて通ることはできない。だが歴史を振り返ると、経済グローバル化は社会的生産力の発展における客観的な要求であり、科学技術の進歩における必然的な結果だ。経済グローバル化はグローバル経済に力強い動力を提供し、商品と資本の流動、科学技術と文明の進歩、各国国民の交流を促進した。まず問題に直面して、主体的に動き、適切な管理を行い、経済グローバル化のプラス面の効果をより多く発揮させること、次に大きな流れに順応し、国の状況に合わせ、経済グローバル化に融合するためのルートやリズムを正確に選び取ること、さらに効率を追求し、公平を重視し、さまざまな国、さまざまな階層、さまざまな人々が経済グローバルのメリットを享受できるようにすることこそ、経済グローバル化の方向性をしっかりと誘導する正しい選択だといえる」という。
論評は、「経済グローバル化が抱える問題にどのように対処し、あらゆる国や民族によりよく恩恵が及ぶようにするにはどうしたらよいか」と問題を提起し、それに対する回答として、「革新による駆動を堅持し、活力に富んだ成長モデルを打ち出し、革新と変革を大胆に進めてはじめて、グローバル経済の成長・発展のボトルネックをうち破ることができる。協同と連携を堅持し、開放的でウィンウィンの協力モデルを打ち出し、開放の中で機会と利益を共有してはじめて、相互利益とウィンウィンを実現できる。時代とともに進む道を堅持し、公平で合理的なガバナンスモデルを打ち出し、グローバルガバナンスシステムをグローバル経済局面がつきつける新たな要求に適応させてはじめて、グローバル経済に有力な保障を提供することができる。公平性と包容性を堅持し、バランスのとれた恩恵がゆきわたる発展モデルを打ち出し、発展の公平性、有効性、協同性を高めてはじめて、人々が発展の成果を共有できるようになる」と述べた。また、「習近平主席が提起した4つの主張で、グローバル経済の深層レベルの弊害を指摘し、すべてのチャンスを十分に利用し、すべての課題に協力して対応するという智恵と心意気を表し、経済グローバル化の方向性をしっかりと誘導するために、根本的な問題と末端の問題をともに治めることのできる処方箋を提供したといえる」と述べた。
論評は最後の部分を、「習近平国家主席が強調したように、経済グローバル化プロセスのリバランスを実現させ、グローバル経済が苦境から脱するよう誘導することは、各国の指導者が果たすべき役割であり、各国国民の期待でもある。人類の運命共同体という意識をしっかりとうち立て、手を携えて努力することで、ともに難関を乗り越えられる」と結んだ。
人民網日本語版より2017年1月19日 |