米国の大統領に選ばれた共和党のトランプ氏が現地時間20日、歓声と抗議の声の中、米国の首都ワシントンDCで正式に就任を宣誓し、第45代米大統領に就任した。
米国のキャピトル・ヒルで開かれた就任式には約90万人が参加し、トランプは、米連邦最高裁のロバーツ首席判事の立ち会いの下で就任の宣誓を行い、就任演説を行った。
「米国優先」宣言の背後の意図
トランプは就任演説で、内政や外交の今後の方向性については詳しく説明しなかったが、「アメリカ・ファースト」(米国優先)を原則とすると強調し、貿易・租税・移民・外交などの分野でいずれも、米国の労働者と家庭に有利となるような政策決定を行うと述べた。
トランプは、かつてビジネスマンとして成功した人物である。その主張する「米国優先」には、色濃い商業的な色彩があり、得失の計算が働いていることがうかがわれる。だが米国の政策手段に対するトランプの評価は戦術レベルに限られている。貿易の背後にあるべき相互利益やウィンウィンには注意を払わず、米国の同盟体系のける戦略的な内実も理解せず、米国社会の発展に対する移民の貢献も無視している。
「米国優先」の原則をめぐって、トランプの内政と外交は、内向型と収縮性という特性を示すものとなる可能性がある。米国内ではすでに、このような政策の調整が米国の長期的な利益を損なわないかと心配する声も上がっている。トランプは、壮大な戦略を描き出してみせたが、どれだけその方向に向かうことができるのかはまだわからない。
トランプ就任の中米関係への影響は?
トランプは選挙戦中、中国に対するネガティブな発言を繰り返した。トランプは何度も、米国の対中貿易赤字を持ち出して議論を展開し、米国の雇用に影響を与えたと中国を批判し、中国が人民元レートをわざと下げて輸出拡大をはかっていると非難した。最近はさらに、「一つの中国」原則をカードとし、貿易や為替レートの問題について中国との交渉を有利に進めようとはかり、大きな波紋を呼んだ。
こうした現象は、トランプが中国に対してまだ全面的で客観的な認識しか形成していないことを示している。中国の近年の急速な発展はすでに、米国に注目されている。だが米国は依然として、競争という角度から中国をとらえる傾向にあり、中国の発展がもたらすチャンスに対しては深い思考を欠いている。トランプは、貿易政策で中国に圧力をかけることを繰り返し主張しているが、中国と米国が「合則両利、闘則両傷」(協力すれば両者に利があり、争えば両者が傷つく」という関係にあるという事実を見過ごしている。
トランプはまた、地域・国際問題における米国の役割と中米両国の重大問題における協力の重要性に考えが至っていない。中米関係の発展はトランプの就任後、曲折に遭遇するリスクがある。中国は、トランプ大統領が、中米関係は世界で最も重要な二国間関係の一つであることを認識し、対中協力を重視し、食い違いを適切にコントロールし、中国と歩み寄ることを望んでいる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年1月23日
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