中国商務部が先ごろ発表した2017年春節(旧正月)連休期間の消費市場データによると、1月27日から2月2日の全国小売・飲食企業の売上高は約8400億元で、前年の春節連休に比べ11.4%増加した。増加率は2016年の春節連休を0.2ポイント上回り、2年連続で上昇。これについて専門家は、中国では消費市場規模の安定的な拡大と構造高度化の加速で、消費のGDP成長に対する貢献率がますます高まっており、これが中国経済成長の巨大な潜在力になるとの見方を示している。
1.市場規模が着実に拡大
ここ数年にわたり、中国の消費財市場規模は着実に拡大し、消費ブームが常態となった。国家統計局の最新統計によると、2016年の社会消費財小売売上高は33兆2316億元と33兆元を突破し、増加率も前年比10.4%の2ケタを保った。四半期別では、第1四半期から順に10.3%増、10.2%増、10.5%増、10.6%増。なかでも12月の増加率は11月を0.1ポイント上回り、単月としては年間最高だった。
2.消費構造の高度化が焦点に
中国の消費財市場では現在、品質消費、グリーン消費、ファッション消費などの高度化に関連する商品の販売が至る所で盛り上がっている。国家統計局のまとめによると、2016年売上高(一定額以上)は、スポーツ娯楽用品が前年比13.9%増、通信機器が約12%増で、比較的高い伸びを示した。自動車ではハイエンドモデルSUVとエコタイプ新エネルギー車が高い増加率を保ち、2016年のSUV販売台数は43.6%増と、セダンを大幅に上回り、新エネルギー車は32万台に84%増加した。
同時に、サービス消費も一般消費者から新たに人気を集めている。中国人民大学財政金融学院の趙錫軍副院長は、春節連休中の映画チケット売場や観光市場のパフォーマンスには目を見張るものがあり、こうしたサービス消費が連休中に一気に盛り上がったことは中国の消費者の消費概念が転換していることを示していると指摘。精神・文化的に蓄積されていた巨大な需要がサービス消費市場の急成長を促進し、消費構造の高度化を加速しているとの見方を示した。
3.今後の成長余地は非常に大きい
「2016年は中国経済の成長率が6.7%に達し、第13次5カ年計画の初年度は順調な滑り出しとなった。今後も経済が安定しつつ上向く流れを続かせるためには、各種の基礎作業を着実に行うと同時に、経済成長の潜在力を探る必要があり、なかでも消費は最も重要になる」。趙錫軍氏は現在の消費市場について、規模が安定的に拡大し、構造の高度化も加速しており、GDP成長に対する消費の貢献率がますます高まっていると分析。こうしたトレンドは経済成長の非常に大きなエンジンとなり、このエンジンもさらに大きくなる余地があると予想した。
専門家は、中国のGDP成長に対する消費の貢献率について、2016年は最終消費支出の対GDP成長貢献率が64.6%で、2015年に比べ4.9ポイント、2014年に比べ15.8ポイント高かったと指摘。消費の対GDP成長貢献率は次第に高まり、中国の水準は世界平均をすでに超えたが、先進国とはまだ差があるため、これが将来的な中国経済の巨大な成長潜在力になると説明している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月4日
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