「2017年は中米両国にとって非常に重要な一年だ」。中国の駐米大使による先日のこの姿勢表明が、各方面の共通認識になることを信じる。米新政権の船出に伴い、中米関係がどう前進するのかに、人々は注目している。(人民日報「鐘声」国際論評)
中米関係を見極めるには、事実に対する全面的な観察が不可欠だ。2015年に中米の貿易総額は6593億ドルに達した。2016年に中国企業の対米投資は過去最多の456億ドルに達した。中米間では1日平均延べ1万4000人が往来し、17分ごとにフライトがある。中米間の姉妹省・州はすでに40組、姉妹都市は200組に上る。双方は100余りの二国間制度を構築し、政策調整、実務協力を行っている。数字は争えない事実だ。様々な「過去最多」の記録は、二国間、地域、世界レベルの各分野での両国協力の成果を反映している。
「事実が証明するように、協力が中米両国の唯一の正しい選択だ」。習近平国家主席の鋭い論断は、中米協力の持つ重要なチャンスと大きな潜在力に対する精確な把握に基づき、新たな段階において両国関係が摩擦を減らし、穏やかに発展するための鍵を示している。
中米関係を見極めるには、一時一事に限られてはならず、長期的な視点、戦略的高みがとりわけ必要だ。歴史の経験は、繁栄する中国が米国にとって有利であり、繁栄する米国も中国にとって有利であることを告げている。中米両国の利益融合と相互依存の深みと幅はかつてないものであり、中米は上手く協力すれば、世界の安定のバラスト、世界平和のブースターになることができる。もし中米関係が悪く、さらには衝突すれば、両国及び世界にとって災禍であり、キッシンジャー氏の言うように「米中両国が対立すれば、世界全体が分裂する」かもしれない。
中米が協力を必要とし、また協力できる事は多い。そして協力が進むほど、互いが協力を必要としていることに気づく。現在、中国国民は奮闘目標「2つの百年」と中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に努力している。米国国民は「米国を再び偉大にする」との目標に導かれ、雇用を増加し、インフラ整備を強化することを望んでいる。両国の発展戦略には多くの一致点と利益の合流点があり、共に腕をまくってがんばる実務的精神を必要としている。アジア太平洋の問題、さらには世界の問題において、最大の途上国と最大の先進国、世界の2大エコノミーとして、両国は地域の成長を促進し、人類の直面する差し迫った、長期的な試練に共同で対処する使命を担っており、協力は道義的義務だ。
当然、中米両国は歴史や文化が異なり、社会制度と経済発展の水準も違い、いくつかの問題において見解が異なることも避けがたい。だが、智者は同を求める。中米双方は戦略面の相互信頼を強化し、溝を有効に管理・コントロールし、誤解や誤った判断を防ぐべきだ。
両国の歴代指導者のたゆまぬ努力と双方の持続的な戦略面の意思疎通により、中米はすでに協力の拡大と溝の建設的処理という伝統を形成し、中米関係発展の重要な経験を総括した。どのような困難や試練に直面しようとも、双方は常に衝突・対立せず協力する方法で共同対処すべきだ。双方は相手国の懸念を十分に尊重すべきであり、相手国の核心的利益に挑戦してはならない。双方は共に努力し、「ゼロサムゲーム」の冷戦思考を捨て、協力の中で互恵・ウィンウィンを追求するべきだ。
広大な太平洋は包摂・協力の大きな場であるべきだ。「非衝突・非対立、相互尊重、協力・ウィンウィン」の原則が引き続き中米双方の基本的準則であるべきだ。賢明な選択は、各分野での中米間の交流・協力の新たな進展を促し、各自の重要な国内課題に良好な外部環境を創造し、世界の平和と発展に引き続き重要な貢献を果たすことだ。(編集NA)
「人民網日本語版」」2017年2月6日
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