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17年の消費新トレンド 精神的な質重視の消費へ変化

 

ここ数年、中国人の生活水準が日々向上するのにともなって、「大量買い」がバージョンアップし、消費水準も徐々に上昇している。「国際商報」が伝えた。

米コンサルティング大手のマッキンゼー・アンド・カンパニーはこのほど中国44都市の18歳から65歳までの各年齢層の消費者1万人を対象に対面調査を行い、「2016年中国消費者調査報告」を発表し、「中国の消費者は近代化の方向へとバージョンアップしている」との見方を示した。

南京大学商学院の呂偉教授は、「経済の下方圧力が大きく、消費者の所得の伸びが鈍化していることから、消費者は新たな要求を出すようになった。コストパフォーマンスの高さ、健康的な中味、優れた製品デザインやショッピング体験などだ。これらはいずれも消費バージョンアップの重要な特徴だ」と指摘する。南京農副産品物流センターの言宣会長は、「以前は手に入らなかったが、今では所狭しと並ぶようになったものにチリのサクランボ、米国のオレンジ、オーストラリアのロブスター、ノルウェーのサーモン、チュニジアのザクロなどがある。消費のバージョンアップは時間や空間の制限を徐々にうち破り、春節(旧正月、今年は1月28日)の『舌先の選択肢』がより豊富になっただけでなく、品質が高く、特色があり、健康的な有機栽培の中級・高級食品がより好まれるようになった」と話す。

春節になると、中国人は親戚や友人を訪ねて新年のあいさつをする。ここ数年は、一家で出かけてゆっくり過ごすという人が増えており、春節旅行が年越しの新たなトレンドになりつつある。休日旅行市場の規模が拡大を続け、消費に対する旅行の牽引作用が顕在化している。旅行予約サイト・携程旅行網の予測では、今年の春節連休期間に中国人の海外旅行者は世界174カ所を訪れ、平均滞在日数は9日、総消費額は140億ドル(約1兆5746億円)に上り、タイ、韓国、日本が最も人気があったという。

個人の消費が物質的な消費や基礎的な消費から、精神的な消費、質を重視する消費へと変化している。消費の新トレンドを迎えて、一連の新たなビジネスモデルも生まれた。主な新トレンドとして次の3点が挙げられる。

▽トレンド1

ますます多くの人が新たな収入の道を意識的に探すようになり、時間、空間、智恵、使用していない物などを持ち寄って分け合い、そこから利益を生み出そうとしている。「シェアリングエコノミー」(共有経済)が徐々に人々の心に浸透し、新しい消費習慣を育成しつつある。

▽トレンド2

健康的な生活を求めることが、多くの人々の共通認識になりつつある。消費者は健康的な飲食をますます重視するようになり、定期検診を受ける、運動するという意識をもつようになった。スタイルに気を配る人が増え、男性はダイエットと筋肉増強、女性はダイエットと体づくりに精を出している。「腹筋」(馬甲線)や「外腹斜筋」(人魚線)といったトレーニング用語が頻繁に人気スレッドに登場し、普通の人々の間で健康的に美しくなりたいという意識が強まり、イメージづくりを重視する風潮が高まっている。

▽トレンド3

未来の計画を立て、家庭で投資を行うことがますます重視されるようになった。中国人消費者は家庭の未来についての計画をより重視するようになり、親であれば子どもに関連した分野への投資を重点的に行うようになった。マッキンゼーの調査報告は、「消費者の3分の2以上が、街をぶらぶらする、食事をする、買い物をするのが、家族とともに時間を過ごす最良の方法だと答えた。買い物と食事ができて娯楽施設もあるショッピングセンターに行けば家族全員の休日に求めるものが満たされる」と指摘する。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2017年2月7日

 

 

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