細い縄でゾウを繫ぐよう
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2017年1月12日から17日まで、日本の安倍晋三首相はフィリピン、オーストラリア、インドネシア、ベトナム4カ国を訪問した。出発前、彼は「各国の首脳とお互いに力を合わせることで何ができるか、あるいは地域の平和や安定にどのように貢献していくべきかということを率直に話をしてきたいと思います」と述べました |
――安倍政権は原発や新幹線の売り込みで「中国包囲網」を敷いています。
安倍晋三首相はかつて、中国に対する「ひし形包囲網(安全保障ダイヤモンド構想)」を提起した文章を発表したことがあり、彼は現在も頻繁にアセアン諸国を訪問し、新幹線などの経済プロジェクトで相手国との協力を協議しています。中国への敵対意識は明らかです。中国が参与している国際プロジェクトには必ず日本がちょっかいを出すとも言われています。 こうした日本の動きが経済的な分野にとどまるのであれば、われわれは何も言うことはありません。しかしながら日本の意図が、アセアンや東南アジア諸国との協力関係によって中国包囲網をつくり上げようとするものであるのなら、それはまったく現実的ではなく、独りよがりな考えです。
現在の国際政治・経済情勢のなかで日本が中国を牽制できる可能性はありません。中国包囲網をつくり上げたとしても、細い縄で大きなゾウを繋ぎ止めるようなものです。また、そのつくり上げた包囲網がどれだけ頑丈なのでしょうか。フィリピンと中国は南海問題で紛争がありますが、現在は協力すべきものは協力せねばならないという考えで合意しています。中国とアセアンも緊密です。中国包囲網を形の上でつくったとしても、何の役にも立ちません。
――日本では外務官僚を筆頭に「中国脅威論」が支配的で、沖縄県名護市での新基地建設も宮古・八重山での自衛隊配備も中国脅威論がその大義になっています。
日本が中国脅威論を語るのは、中国人は感情の上で受け入れることができません。日本は第二次大戦期間中に他国を侵略し、中国やアジアの国々に大きな被害をもたらしました。日本がなすべきは、自らの軍国主義による被害を反省することであり、どうすれば他国と平和的・友好的にやってゆけるのかを考えることです。
日本の外務省官僚の一部には、血気盛んな者がいて、戦後、中国と友好関係を築こうとした政治家とはまったく様子が違います。
ただ、安倍氏のような人が首相であるなら、こうした外務官僚が出現するのも自然といえば自然です。しかし彼らのいう中国脅威論は憲法改正、軍隊合法化、軍事実力拡張の口実にすぎないと私は見ています。経済力を強化し、国際的影響力の向上を狙う心理は理解できますが、それは包囲網の建設や軍事力拡張によって実現すべきではありません。そうした姿勢は必ず失敗し、他国民はおろか自国民にも災難をもたらすということを歴史は何度も証明しています。
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王暁輝(オウ ギョウキ)
中国インターネットニュースセンター(チャイナネット)総編集長。中国翻訳研究院副院長。新華社ロンドン支局マネージャー、新華社情報センター海外部主任、チャイナドットコムCEOなどを歴任。報道、インターネット関連業務の経験から、国際会議やフォーラムの司会を多数つとめる。(撮影/馮進) |
原文は2017年1月27日発行の『週間金曜日』(1121号)に掲載
人民中国インターネット版
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