アナリストは、「首脳会談の結果、安倍首相は今回の訪問の核心的な目的を達成したようにみえ、米日同盟が変化するのではないかとの外部の懸念をある程度払拭することができた。だが実際の得失を考えると、トランプ大統領は米国の日本に対する安全保障面での従来の合意を繰り返し述べただけで、一方の日本は経済面でさまざまな譲歩をした。安倍首相の今回の訪米で採用したまるで『朝貢』のような外交政策は、日本国内からの批判にさらされてもいる」と指摘する。
安倍首相は訪米に先立ち、今後10年以内に米国のインフラ建設分野に1500億ドル(約17兆385億円)を投資し、米国で70万人の雇用を創出すると発表した。
日本共産党の志井和夫委員長は9日、「会談の前から、向こうに言われる前から、『貢ぎ物』の目録作りをやっているというのが安倍首相の姿勢だ」と批判し、「日本で正社員を減らしておいて、米国で雇用を増やすという。本当にやることが逆さまだ」と強調した。
安倍首相は訪米中に重要な貿易の問題でも譲歩した。10日に発表された共同声明をみると、米国がTPPを離脱したことを踏まえ、両国は今後、二国間の枠組みで交渉を行い、「両首脳は、(両国間の貿易・投資関係双方の深化と、アジア太平洋地域における貿易、経済成長および高い基準の促進に向けた両国の継続的努力の重要性といった)これらの共有された目的を達成するための最善の方法を探求することを誓約した」。
一連の分析によれば、日本はこれまでずっと米国と1対1で貿易交渉を行うことを拒絶し、TPPのような多国間の交渉を進めるべきだと主張し、多国間メカニズムによって利益の最大化を図ろうとしてきた。そこで安倍首相は今回、新たな枠組みの下での経済対話を打ち出した。だがこれは実際には二国間交渉モデルを受け入れたことに他ならず、トランプ大統領に対する妥協だといえる。
日本メディアからは、「米日の新たな枠組みの下での経済対話が米日自由貿易(FTA)交渉に転換する可能性がある。これから日本は経済貿易政策で米国の巨大な圧力に屈し、さらに多くの譲歩を迫られる可能性がある」といった懸念の声が上がる。日本共同通信社も、「貿易をめぐって双方が二国間メカニズムによる交渉を行えば、いずれ利益が衝突することになる。『米国第一主義』を掲げるトランプ氏が矛先を日本に向ければ、日本は厳しい状況判断を迫られることになる」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年2月14日
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