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中国など5カ国からの留学生、日本の入国審査が厳格化

 

日本の法務省入国管理当局が2月に入り、中国やベトナムなど5カ国からの留学生について、入国前の審査を厳格化する方針を日本語学校に伝えていることが分かった。現地の金融機関の残高証明書に加え、預金通帳の写しを新たに提出させることで、留学生の不法滞在を防止するという。20日付西日本新聞が伝えた。

しかし一律の線引きには公平かつ客観的な証拠がなく、現地の日本語学校から批判の声が上がっている。法務省の統計によると、2015年の不法滞在者は韓国人が最多だったが、韓国はこの入国審査厳格化の対象国になっていない。

あいまいな基準

法務省は中国、ベトナム、ネパール、ミャンマー、スリランカの留学生を対象としている。法務省の担当者は「この5カ国は留学生が多く、不法滞在が増加している。留学生が日本で不法就労しているという報告もあった」と述べた。

しかし法務省の統計によると、2015年の不法滞在者は韓国人が最多の1万3000人にのぼった。2位は中国大陸部の約8700人で、タイとフィリピンが続いた。ベトナムは5位。ネパール、ミャンマー、スリランカは上位10カ国にも入っていない。その他の国を無視し、中国やベトナムなど5カ国を厳格化の対象にしたことについて、日本国内の業界からも疑問視する声が出ている。

留学生は通常、日本語学校で半年以上学び、それから現地の大学の入試を受ける。留学生は日本語学校に申請資料を提出し、法務省からの許可を得て、初めて留学ビザを取得できる。

法務省は2月、2015年に除籍・退学者が「10人以上」に達した日本語学校が、全国の約半数を占めたと発表した。これらの学校は今後生徒を募集する際に、上述した対象国の留学生に対して、金融機関の残高証明書に加え、出入金明細書や預金通帳の写しなど資産証明書を提出させなければならない。

ある日本学校の職員は、西日本新聞に対して「進学や病気、親の介護による退学もペナルティーの対象という意味か」と不満を表した。法務省は「10人以上という数字に根拠はなく、半数以上の日本語教育機関を対象とするための線引きだ。そもそもペナルティーではない」と認めた。

新たな措置で混乱も

日本政府は2008年に「留学生30万人計画」を発表し、2020年末までに留学生数を当時の14万人から30万人に増やすとした。この影響を受け、日本国内では外国人留学生向けの日本学校が増加した。九州を例とすると、昨年9月末時点で64校あり、10年前より倍増した。

法務省のこの新たな措置は、3月中旬から始まる。日本留学を申請していた一部の人にも、すでに影響が生じている。

ある日本語学校の職員は「ベトナムやミャンマーでは、追加書類を準備するのが難しく、すでに混乱が広がっている」と述べた。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年2月21日

 

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