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中日韓の膠着状態の打破、域外国の介入を待つな

 

現在の北東アジアの安定と協力の情勢は、変化が激しく掴みどころがない。大洋の彼岸の米国では、新大統領が本格的な動きを見せておらず、北東アジア情勢は波乱続きとなっている。中日は歴史や領土など歴史的感情と現実的な食い違いにより、多くの問題が懸案事項となっている。中韓はTHAADなどの問題により、新しい問題が浮上している。朝鮮の核問題が解決しておらず、中国とモンゴルの関係もダライ・ラマの訪問後の回復段階にある。

北東アジアの安定と協力の情勢に、失望を禁じ得ないという人もいる。中日の恨みが払拭できず、中韓の溝がさらに深まり、中朝の友好を維持しがたく、中蒙関係の進展は困難だというのだ。さらに中国は北東アジアにおける各分野で積極的に行動することができず、米国などの駆け引きの相手の政策と戦略が明確にならないと反応できないという説もある。

実際には北東アジアで不穏な動きが見られても、グローバル化と地域一体化のすう勢、各国の国民による国民生活の改善と発展などの共通認識を前にして、私たちは悲観的になる必要はなく、消極的・受動的になるべきでもない。なぜなら私たちが憧れ、手にすべき有利な要素が存在するからだ。すでに署名された中韓FTAは両国の国民に利益をもたらすばかりか、両国の国家発展と民族の利益にメリットをもたらす。中日韓FTA交渉が推進され、最終的に署名されれば、3カ国が利益を手にすると同時に、力強い地域共同体が最終的に東アジアで台頭することになる。

現在の北東アジア情勢について、地域の平和・発展の最終目標の基礎を固めるためには、地域内の当事国が出来る限り向き合う必要がある。中国が現在の北東アジア秩序の新構造を形成するためには、氷を砕く精神、積極的な意識、実務的な取り組みが必要だ。 まず「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)を、日韓などの国に呼びかけていく。日本は現在も静観しており、韓国は様子をうかがっているようだ。日韓の経済界と民間に異なる意見があるのかもしれないが、東の日韓に向け秩序正しく事業を拡大し、両国の産業シフトを受け入れ、地域の共生を促進し、深いレベルの開放を促すことは、一帯一路を地域的・世界的共通認識にするため重要だ。これは東アジア人の東アジア事業であり、アジアの溝を自ら解消するための取り組みでもある。

次に、中日韓でアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)という新たな枠組みを共同構築する。中韓FTAが署名され、中日韓FTAの交渉が進められているが、中日韓を中心とするFTAAPの構築は、地域協力及び経済共同体の建設の模範になる。アジアの自由貿易・多国間協力新枠組み及び新モデルの構築は、3カ国の利益と戦略に合致する。

それから、中日韓で北東アジア観光共同体の建設を共同推進する。中日韓の和解は、国民間の相互理解と好感度の蓄積にかかっている。これを促すのは、観光協力の拡大と深化に他ならない。中日韓の間を行き来する観光客数は現在、すでに2000万人を突破しているが、まだこれを阻害する要素が残されており、多国間協力の基盤が脆弱だ。観光共同体の構築は、国民感の交流の障害を取り除き、観光共同体と一致する文化と人文市場を醸成する。

最後に、中日韓で地域・多国間安全メカニズムの構築を共同推進する。中日韓関係の安定化と繁栄を促す地域安全メカニズムの構築は現在、ほぼ停止の状態となっている。日韓は経済と安全面で、かつての投機的な関係から公然たる対立に移り変わっている。中日韓は安全メカニズムの構築において、冷戦時代もしくは冷戦後の発想を捨てるべきだ。戦略的相互信頼に向けた交渉の環境を醸成し、安全メカニズムの多国間協力を展開する。これは地域内で解決すべき優先事項だ。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月22日

 

 

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