2月24日、黒い作業着、ブルージーンズ、スニーカーに身を包んだ王衛氏(46)が深セン証券取引所のロビーに姿を現した、王氏とその部下の宅配便配達員たちが一斉に鐘を鳴らすと、中国宅配便産業大手の順豊速運がついに関連企業から鞍替えする形で上場を果たした。初日の時価総額は337億ドル(1ドルは約112.2円)に達し、王氏は個人資産が200億ドルに近くにふくらんで、中国宅配便産業で一番の富豪になった。
インターネット経済が中国で発展を続けるのにともない、中国宅配便産業の規模がここ数年で急速に拡大した。2016年の業務取扱量は313億5千件で前年比51.7%増加し、業務収入は583億ドルで同44.6%増加した。これにより中国宅配便産業は6年連増で50%を超える「爆発的」な成長率を維持した。現在の業界全体での従業員数は200万人を超える。
今月の早い時期に、国家郵政局は「宅配便産業発展『第13次五カ年計画』プラン」を打ち出し、20年をめどに、国内の宅配便業務取扱量を700億件に、業務収入を1165億ドルにそれぞれ引き上げる目標を打ち出した。
またアナリストは、「中国宅配便産業の発展は『爆発的成長』モデルに別れを告げ、転換点を迎える。従来型発展モデルが人件費の上昇、資源環境の制約といった要因によって被る影響がますます目立つようになる。多くの宅配便企業は通販に対応したサービス企業であり、商品が画一的で、利益が低下し、消費者からの苦情が絶えず、一連のネットワーク拠点は数が増えながら収入が増えないという苦境に陥る。業界の予想では、順豊などの宅配便大手が上場を果たせば、業界全体の局面が基本的に定まり、規模の追求から効率の追求へという『曲がり角』を迎えることになる」との見方を示す。
現在、中国宅配便企業の一部は技術革新によって新たな競争力を獲得しようと試みている。1月31日に英国紙「フィナンシャル・タイムズ」が紹介したデロイト中国の物流・輸送部門の責任者・宋旭軍(ジョン・ソン)さんの話によると、「中国物流産業は今も飛躍的な変化の中にあり」、「少なくとも一部の物流企業は自らを科学技術企業と称している。これはつまり、こうした企業がIT(情報技術)システム、ビッグデータ、自動化、ラストワンマイルの配送――たとえばドローンや自動運転車による貨物輸送など――といった方面へ大量に資金を投入しているということだ」という。
人民網日本語版より2017年2月27日
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