ボアオ・アジアフォーラム研究院の楊希雨副院長は8日、新華社の取材に対し、客観的にみてグローバル化が発展するトレンドが逆転することはないとの見方を示した。構造問題と障害に直面しているが、小さな失敗に懲りて大切な取り組みを止めるべきではなく、グローバル化に反対することは根本的な問題の解決にはならないとしている。

楊希雨氏は同日、「グローバル化の未来」をテーマとする国際会議に参加した際、グローバル化の現状について、深層レベルの構造的矛盾はグローバルガバナンスが経済のグローバル化に適応していないこと話し、最も典型的な例として2008年の金融危機を挙げた。グローバル化のクロスボーダー投資と貿易がある程度発展すれば、より高いレベルの国際間協調が必要になると指摘。例えば、数十年前に構築された金融監督管理システムは、今日の1日当たり数億に上るクロスボーダー金融取引に適さないとの見方を示している。

世界各国にとって、グローバル化には利益と弊害が共存しており、グローバル化がもたらす本質的な問題はグローバルガバナンスの構築が追いついていないことと説明した。

「グローバル化は、世界の産業構造の再調整を促進する。中国はグローバル化のなかでチャンスを掴んだだけでなく、それが引き起こす構造的問題の処理を引き受けた」。中国が責任ある大国として、包括と互恵のグローバル化の推進、人の自由流動や科学技術の重視、知的財産権の世界的な伝承とクロスボーダーの貿易・投資の促進、貿易の自由化、「一帯一路」建設と地域経済の一体化に取り組む方針を示し、ウインウインのモデルを樹立している。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2017年3月20日