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国連安全保障理事会、「一帯一路」支持の決議を採択

 

「国連の新たな決議はインドを危機に陥れる」。インドの『ヒンドゥスタン・タイムズ』は18日、ウェブサイトにこのようなタイトルの記事を掲載し、国連安全保障理事会(安保理)が先週末に中国の「一帯一路」を支持する内容を含む決議を初めて採択したことを伝えた。中国・パキスタン(中パ)経済回廊は「一帯一路」のフラッグシッププロジェクトとなるが、インドが自国領土と主張するカシミール地方を通過するため、インドが中国の提唱に賛同すれば、自国の「核心的利益」を放棄することになるとの見解を示している。

インドメディアが伝えたのは、アフガニスタン問題に関する第2344号決議だ。現地時間17日に安保理は賛成15票で採択。これによって、国際社会へアフガニスタン支援のコンセンサスを呼びかけ、「一帯一路」建設など地域経済協力の強化を通じ、各方面に「一帯一路」建設に向けた安全保障環境の提供や発展政策・戦略の連動強化、相互の実務協力推進などを促す。

パキスタンの『ザ・ニュース・インターナショナル』の19日報道によると、第2344号決議は「一帯一路」建設の重要性を強調すると同時に、「トルクメニスタン-アフガニスタン-パキスタン-インド石油管プロジェクト」、「中央アジア・南アジア送変電工事」や、アフガニスタン、インド、イランが共同で進める「チャバハール港プロジェクト」などがアフガニスタン問題の解決を大きく進める可能性を認めている。

一方のインドメディアは、今回の決議が「一帯一路」を支持したことのみを注視している。『ヒンドゥスタン・タイムズ』は、安保理の決議が全メンバー国に関連プロジェクトの進展を支持するよう呼びかけているが、仮にインドが中国の「一帯一路」構想を受け入れれば、カシミール地方の領土権を放棄することになると指摘した。

インドのジャンムー・カシミール州首席部長は先ごろ、インドは中パ経済回廊に加入すべきと話した。これに対してインド外務省は17日、インドが領土権を主張する地域を通る中パ経済回廊について、インド政府の立場は変わっていないと回答。「こうした懸念を各方面へはっきりと伝えている」と説明した。

実際に第2344号決議は、国連が初めて「一帯一路」の大きな作用を認めた例ではない。昨年4月以降、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)、国連開発計画(UNDP)、国際連合工業開発機関(UNIDO)などが相次ぎ様々なかたちで「一帯一路」の発展と実施を認めている。『ザ・ニュース・インターナショナル』は、安保理が今回アフガニスタン問題に対する「一帯一路」の重要な作用を改めて強調したとの見解を示した。また、中国の劉結一国連大使は決議採択後、国連と安全保障理事会がこれまでの「一帯一路」に対する考え方を継承して発展させ、国際社会のコンセンサスを強化したと説明。「人類運命共同体構築」の重要な理念が今回初めて組み込まれたことは、中国の理念とプランがグローバルガバナンスに大きな貢献を果たしていることをはっきり示したとしている。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年3月21日

 

 

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