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中日関係、「冷え込み」を「緩和」に向かわせるために

 

今年は中日国交正常化45周年だ。中日両国の首脳が2014年11月に会談し、中日関係を日本側が引き起こした一触即発の状態から緩和に向かわせた。しかし2年以上が経過するが、この緩和の「質」が大幅に低下し、予想されていた「温もり」が「冷え込み」に変わり、かつての状態に戻るような流れを示している。この責任は明らかに日本側にある。

王毅外交部長は両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)で「中日関係の根本的な問題は、日本の為政者の中国への認識にある。中国の発展を受け、中国を友人とするのか敵とするのか。パートナーとするのかライバルとするのか」と発言した。安倍政権はこの2年以上に渡り、その根深い右翼の政治理念と政治遺伝子により、「中国脅威論」といわゆる「価値観外交」を吹聴し、米国に追随し中国をけん制している。その行為は中国を友人やパートナーとしていない。そのため中国でも日本でも、安倍首相が退任しなければ、中日関係が改善され局面を打開することはない、と判断する専門家がいる。

しかし中国を敵とすることは、明らかに日本の国益に合わない。日本の外務省の小原雅博氏は、「東アジアの安定と日本周辺の敵国の不在」は、日本の「核心的利益」の一つであり、その最も重要な位置を占めていると指摘した。これは安倍首相の中国を敵とする政策が、個人および自民党の政治の理念と利益にしか合致しておらず、改憲という目標、いわゆる「強い日本」という夢を実現するための需要でしかないことを意味する。

ところが安倍首相は一国の長であり、国益を考えざるを得ない。両国の有名無実の「緩和」状態を徹底的に逆転させ、2014年11月以前のいつでも偶発的な衝突が生じかねない危険な緊張状態に戻せば、日本の経済・安全・シーレーンに大きな悪影響を及ぼすことを考えざるを得ない。

中日の緊張関係はある程度、米国の中日関係に対する分離戦略の結果だ。米国は一貫して、中日の歩み寄りを望んでいない。1972年の段階で中日間に釣魚島問題という、両国関係を切り離す「政治の地雷」を埋めていた。日本は中国及びその平和的台頭をけん制する、米国の最も重要な戦略の駒になった。ところがトランプ大統領は就任後、まずTPP離脱を宣言し、日本を不安にさせた。日本はTPPという、米国と協力し中国をけん制する重要な足がかりを失うことを懸念した。米国の軍事保護への依存が、トランプ大統領のゆすりに利用されることを懸念した。中米が調整期間をへて、「建設的な関係」を発展させるという共通認識を形成し、日本を再び捨て駒にすることを懸念している。

この状況下、日本が1-2年内に自力でTPPを蘇らせることができなければ、大きな需要と広い空間を持つ「10プラス6」の地域包括的経済連携(RCEP)と中日韓の協力への重視に転じる可能性がある。

現代国際関係の歴史において、フランス語由来の「デタント(緩和)」とは、往々にして1970年代の米ソ関係の緩和の時代を指す。米ソの緩和は、両国が各自の戦略的需要によって実現した「持続的な緊張関係の緩み」に過ぎず、両国関係が本当に「改善」され「友好」になったわけではない。

当時の米ソと比べ、中日間には歴史の恨みや、釣魚島の領土主権といった現実的な係争などが存在するが、現在も約3000億ドルの貿易関係(日本は中国にとって2番目の貿易相手国)を維持している。環境保護や経済などの分野で、多くの利益が重なり合う隣国同士でもある。中日は一時的(安倍首相の任期内)に真の関係改善と局面の打開を実現できないが、安倍首相にいつどこでも中国に対抗するという間違った政策を変えさせ、有名無実の中日の「緩和」を取り戻し維持することは可能なはずだ。当然ながらこれは中国の経済建設を維持するために必要な、安定的な周辺環境のためでもある。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年3月23日

 

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