中国の民間人で、対日損害賠償連合会会長である童増氏と、日本の「中国人戦争被害者賠償請求弁護団」の幹事長である小野寺利孝氏が、2017年のノーベル平和賞に推薦された。中日両国での民間人では初の同賞推薦となる。
彼らが推薦された理由として、民間の力を通じて20年以上、第二次世界大戦の中国人被害者の合法的権利を守り、拡大し続け、日本政府と加害企業による第二次世界大戦の遺留問題の解決を促進してきたことを挙げる。多数の賛同者と共に、法律による訴訟という有効な手段を取りながら、日本の三菱マテリアルに対し、被害を受けた労働者への謝罪と謝罪金の支払を実現させた。日本政府に対しては、中国侵略の歴史を正視することを前提として中日間の平和友好推進を求めてきた。童増氏と小野寺利孝氏が今回推薦されたことで、第二次世界大戦における日本の中国侵略戦争の犯罪が強く示されることになる。ノーベル平和賞に推薦されることを通じ、全世界の人が日本による対中侵略戦争を理解し、正視することだろう。
両名を推薦したのは元四川大学副学長で現西安外事学院学長、米インディアナ州立大学名誉教授の陳愛民氏。彼女は今年1月、ノーベル平和賞委員会に正式に推薦し、同時に両名の文字資料と映像資料を同委員会に送付した。
毎年2月1日は、ノーベル平和賞推薦の締切日である。10月にノルウェーでノミネート者が決定される。
童増氏は2015年から3年連続でノーベル平和賞に推薦されている。これまでの2年は個人の身分だったが、今年は日本人弁護士の小野寺利孝氏と連名での推薦となる。
童増氏は21日、「中国青年報・中国青年報オンライン」の取材に対し、「最初に推薦された時は大きな感慨はなく、ノーベル平和賞は自分には遠い存在だと思った。その後、私に連絡してくる国内外の友好人士が増えた。彼らは中国民間人による賠償請求問題に関心と同情の心を持っていた。それでやっと、ノーベル平和賞に推薦されたことは個人のことではなく我々民族のことであることを意識するようなった。世界のより多くの人々に、中国人の正義の行動を理解させるべきだと考えるようになった」と述べる。
「今後、どのような行動をとるのか」との問いに対し童増氏は、訴訟を中心に活動するとした上で、「今年は南京大虐殺80周年だ。我々は今後も日本政府に謝罪を要求していく。同時に、訴訟団に加わる人が増えるにしたがって、いかに国際的に我々の権益を高めていくかを考える必要がある」と述べる。
キーワード1:童増:対日損賠賠償訴訟の第一人者の中国民間人
童増氏は1956年6月に重慶市に生まれた。北京大学大学院で法学を修める。現在、中国民間対日損害賠償訴訟連合会の会長。1990年に「中国は一刻も早く日本に損害賠償を求める」を編纂し、中国の民間人による対日賠償訴訟運動を発起した。20年以上にわたり、中国の戦争被害者およびその家族の多くが、童増氏の提唱する民間対日損害賠償訴訟の隊列に加わって来た。
キーワード2:小野寺利孝:中国の戦争被害者訴訟に無料で担当する日本人弁護士
小野寺利孝氏は1941年生まれ。1965年、中央大学法学部卒。日本青年弁護士協会の幹事長と会長、日本民主弁護士協会の幹事長を歴任。現在、中国人戦争被害者賠償請求弁護団幹事長、福島原発事故被害者弁護士弁護団代表などを務める。1994年、初めて中国を訪れ、南京大虐殺記念館を参観。日本軍の暴行に強い衝撃を受けた。その後、日本政府と加害企業に対する、第二次世界大戦における中国人被害者の起訴業務の代理契約を童増氏と交わす。日本政府へ告訴してから小野寺氏は、常に日本の右翼から脅迫され続けてきたが、動じることはなかった。自分の家を抵当に入れてまで借金をして中国人被害者を来日させるなど訴訟を支持してきた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年3月24日
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