南水北調中部ライン第一期工事河南省淅川県陶岔渠ハブ工程(11月30日 新華社記者 李博 撮影)
12日、10年あまりの建設期間を経て、「南水北調(水不足解消のために中国南方地域の水を北方地域に送りこむプロジェクト)」の中東部ライン工事が完成し、給水が実現して満2年となった。世界で最も壮観な水利事業の一つである同プロジェクトは、2年間の給水を通じ、経済・社会・生態に対する多大な実利的総合効果を得た。北京日報が伝えた。
「南水北調」中東部ラインは、北京・天津の両直轄市および河北、河南、山東、江蘇各省の33地級レベル都市を網羅している。中部、東部ライン第一期工事が全面的に完成し、給水がスタートして以来2年、同エリアの住民8700万人がその恩恵にあずかり、用水の確保、生態システムの修復、干ばつ・洪水対策など各方面で総合的な効果が得られた。
南方の水を北方に送り込むことで、給水されるエリアの水質にも大幅な改善が見られた。北京市自来水集団のモニタリングデータによると、「南水北調」の給水を使った後、水道水の硬度は、従来の1リットルあたり380ミリグラムから120~130ミリグラムまで低下した。河南受水エリアでは、多くの家庭で浄水器が「お役御免」となり、観賞魚の飼育にも、直接水道水が使えるようになった。
北京や天津など6省・市の受水エリアでは、水源を現地の地下水から「南水北調」の転換する作業が加速され、地下水の採取量はすでに2億7800万立方メートル軽減された。また、北京市、河南省許昌市市街地、山東省の平原地区など地下水の採取量が過度だった地域では、地下水の水位がすでに回復傾向にあるという。(編集KM)