中国共産党中央委員会と国務院はこのほど通達を出し、河北省に雄安新区を設立することを決定した。雄安新区設立にどのような背景や重大な意義があるのか。場所がどうしてここに決まったのか。今後の計画や建設はどうなるか。国家発展改革委員会の何立峰委員長がこうした記者からの質問に答えた。
▽歴史的意義ある重大な政策決定
【記者】河北雄安新区設立の背景と意義を説明してほしい。
【何委員長】河北雄安新区設立は、習近平同志を核心とする党中央が北京・天津・河北の共同発展、北京の非首都機能の秩序ある分散を深いレベルで推進するために打ち出した重大な政策決定だ。雄安新区は深セン経済特別区、上海浦東新区に続く全国的な意義をもった新区であり、国の一大事業だ。
北京市の人口はすでに2100万人を超え、2020年に2300万人という人口調整目標にすでに接近しており、これによってもたらされた交通渋滞、不動産価格の高騰、資源の過度の負荷といった大都市病は、その深層レベルの原因が非首都機能を引き受けすぎていることにある。習近平総書記がたびたび強調するように、北京の非首都機能の分散は北京・天津・河北の共同発展を推進するための重要な段階であり、最重要ポイントだ。雄安新区の建設は北京の非首都機能分散のための非常に重要な構成要素となる。
雄安新区を建設することには、重大な現実的意義と深い歴史的意義がある。
第1に、北京の非首都機能分散の集中的受け入れ地を重点的に建設すれば、北京の大都市病を効果的に緩和し、北京都市副センターとともに北京の新たな両翼を担うことが可能になる。
第2に、地域発展の不足分を早急に補填し、河北省の経済社会発展の質と水準を引き上げ、新たな地域の成長極を育成する上でプラスになり、また2022年に北京で開催される冬季五輪を契機とした張北エリア(張家口市張北県)建設とともに河北省の新たな両翼を形作ることもできる。
第3に、北京・天津・河北の都市配置と空間構造を調整・最適化し、地域発展の新たな可能性を開拓し、人口・経済密集地における新モデルの最適化開発を模索し、全国的な革新が駆動する発展の新エンジンを打ち出し、北京・天津・河北での世界レベルの都市クラスター建設を加速する上でプラスになる。
▽雄安新区の場所選定は繰り返し比較検討し、精緻な科学的論証を経たもの
【記者】雄安新区の場所選定はどのように確定したのか。どのような要因を考慮したか。
【何委員長】大都市病という難問を解決するには、北京の非首都機能を力強く、秩序をもって、効果的に分散させることが必要であり、集中的受け入れ地が必要だ。客観的にみて、このような集中的受け入れ地を建設するには北京、天津、石家荘といった既存の大都市の資源に依拠する必要があり、また交通の利便性も必要であり、地理的条件も適切でなければならない。
雄安新区の計画範囲は河北省の雄県、容城、安新の3県とその周辺地域に及び、北京と天津に囲まれた地域だ。計画では特定地域をスタートエリアとして先行開発し、面積は約100平方キロメートルだ。発展中期の建設エリアは約200平方キロメートル、将来は約2千平方キロメートルの新区を建設する計画となった。
総合的にみて、この地域の地理的優位性は明らかで、交通は便利で、すでに複数の高速道路や鉄道が走り、北京、天津、石家荘と結ばれた30分通勤圏を比較的迅速に形成することができる。生態環境に優れ、資源環境の受け入れ能力も高く、華北平原で最大の淡水湖・白洋淀などを擁する。水資源も豊富で、地域の水需要に応えることができる。過去の開発レベルが低く、発展の可能性は比較的大きく、高い出発点や高い基準で開発建設を進める基本的な条件が備わっている。
雄安新区の場所選定は実際の状況から出発し、比較選定作業の繰り返し、科学的研究、専門家による厳格な論証作業を経て、最終的にこのエリアに確定した。
▽まず計画、次に行動 計画編成作業を加速
【記者】河北雄安新区の計画建設では、今後どのような取り組みを考えているのか。
【何委員長】党中央と国務院の通達では、河北雄安新区の全体的要求と重点任務が明確にされている。今後、私たちは関係各方面と次の取り組みを重点的に進めていく。
まず計画を立て、次に行動に移り、計画編成作業を加速させる。世界的視点、国際基準、中国の特色、高い位置づけ堅持し、全国から優秀な人材を集め、世界の人材を誘致し、世界の経験を十分に参考にして、河北省と関係各方面が雄安新区の全体計画、スタートエリアのコントロール計画、始動エリアの詳細なコントロール計画、白洋淀の生態環境ガバナンス・保護計画を高い基準と高い質で組織編成するよう指導し、計画が徹底実現されることを確保する。
革新による駆動は新区発展の根本的な原動力であり、革新要素が新区に集積するよう誘導する。新区が革新のベクター、運営メカニズム、発展環境などの面で良好な革新ムードを作り出し、革新を担うハイレベルの人材とチームを誘致し、革新の高みと科学技術の新都市を構築するよう努力することを奨励する。
体制メカニズムの改革を深めることは新区発展の制度的保障となる。新区の管理の新モデルを模索し、行政管理体制改革を深化させる。新区の投融資体制改革を模索し、長期的に安定した資金投入メカニズムを構築し、社会資本が新区建設に参入するよう誘致する。
新区建設のニーズに基づき、関連の具体的な支援政策を検討し提起する。これと同時に、特定計画の実施、重大プロジェクトの配置、資金計画において、新区に関連した交通、生態環境、土木、エネルギー、公共サービスなどの重大プロジェクトに支援を与える。
新区と周辺地域の協調発展を統括する。北京の非首都機能を秩序よく集中的に引き受け、北京中心都市エリア、北京都市副センターとそれぞれの優位性に基づいて棲み分けを行った発展を実現させる。
計画では、世界一流都市の水準に達すると同時に、建築に関しては中国文化の要素を十分に現れ、建設の過程では詳細で精緻な作業を行い、匠の精神によって何百年も続く高品質の建築物を建設するとしている。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年4月6日
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