北京市計画・国土管理委員会は28日、「北京市総体計画(2016-2030)」の草案はすでに完成しているものの、「どんな首都をどのように建設するか」という問題については、広く市民からの意見を求めた後、初めて答えを出すとした。人民日報が伝えた。
同計画は2016年から2030年までをその期限に定め、短期的には2020年、長期的には2050年までの展望を記載しており、「2030年までに、国際的に一流レベルの調和のとれた住みやすい都市の基礎を建設し、『大都市病』の解決に顕著な成果を上げる。また、首都中枢機能をさらに最適化させ、北京・天津・河北エリアの一体化モデルの基礎を形成させる」としている。
同計画の草案は全部で6つの部分から構成されている。そのなかには、▽首都ポジショニング戦略を実行し、発展目標を明確にする。▽都市の空間レイアウトを調整し、非首都機能を分散させ、首都中枢機能向上を最適化する。▽社会資源の要素を科学的にレイアウトし、都市の発展水準を向上させる。▽歴史文化的に有名な都市としての保護に力を入れ、首都の風格、古都の上品さ、時代に合った都市の特色を強化する。▽都市のガバナンス能力を上昇させ、「大都市病」の解決や計画スタイルの変更、計画実施の保障などに尽力する、という内容を含んでいる。
都市規模の面では、「減量発展」の理念を打ち出しており、草案では、「北京の常住人口を2020年には2300万人以内に抑え、2020年以降、長期にわたって2300万人前後の状態を維持する。人口構成の最適化を続け、人口の質を向上させ、積極的に高齢化問題に対応する。また、都市部・農村部の建設用地を2020年に2860平方キロメートル前後、2030年に2760平方キロメートル前後までに減らす。さらに、2030年までに微小粒子状物質(PM2.5)の数値を国家基準の1立方メートル当たり35マイクログラム前後にする」としている。
草案では、「一主、一副、両軸、多点」配置を打ち出し、新しい都市空間構造を描きだしている。「一主」とは、東城区、西城区、朝陽区、海淀区、豊台区、石景山区からなる北京の中心区を指す。「一副」とは、北京市行政副都心を指し、「両軸」とは、北京の中央を南北に貫く中軸線とその延長線、北京の中央を東西に貫く長安街とその延長線の2本を指す。また「多点」とは、門頭溝、房山、順義、大興、亦庄、昌平、平谷、懐柔、密雲、延慶の北京を囲む周辺の10区を指す。
さらに草案では、「一屏、三環、五河、九楔」の構想を打ち出しており、将来の北京の美しい緑化生態空間を示している。「一屏」とは、北西部の山岳エリアを重要な生態源の場所とし、生態環境のバリア機能を形成することを指し、「三環」とは、首都を取り巻く、都市公園環状線、郊外に位置する大規模公園環状線、首都を取り巻く森林湿地公園環状線を建設することを指す。「五河」とは、永定河、潮白河、北運河、拒馬河、■河(■はさんずいに句)をメインとした河川・湖の水系を形成することを指し、「九楔」とは、9本の楔形のグリーンベルトのことを指す。北京中心部や周辺地区、都市を跨ぐ楔形の生態空間をつなぎ、北西部の山岳エリアと南東部の平原エリアをつなぐ大型の生態ベルトを形成する。
同草案は2017年3月29日午前10時から4月27日午後4時まで、北京市計画展覧館の1階展示ホールで公開される。市民は、同展覧館で意見を提出するか、北京市計画・国土管理委員会の公式サイトに意見を寄せる、またはEメールや文書を送るという4つの方法で意見を提出することができる。(編集YK)
「人民網日本語版」2017年4月1日