中国経済の対外的な吸引力は低下したのだろうか。国家統計局が今月17日に発表した経済データは、低下したとみる人々に再考を促すものとなった。おおまかな計算によると、今年第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP)は18兆683億元(1元は約15.9円)に上り、比較可能な価格で計算すると、前年同期比6.9%増加した。主要指標は予想を上回る好調さで、順調な一年のスタートを切り、通年の発展目標の達成に向けて着実な基礎をうち立てたといえる。(文:楊志勇・中国社会科学院財経戦略研究院研究員)
同期の経済を振り返ると、次のような点がみられた。
輸出入が急増し、対外貿易構造が改善した。同期の輸出入額は6兆1986億元で、同21.8%増加した。重視されるのは、「一帯一路」(the belt and road)の呼びかけた積極的な役割を果たしたことだ。中国と「一帯一路」沿線の一部の国との輸出入が増加し、同期の対ロシア輸出入が同37%増加したほか、対パキスタンは同18.7%、対ポーランドは同19%、対カザフスタンは同69.3%、対インドは同27.7%、それぞれ増加した。
国際収支も改善した。経常項目をみると、1~3月の貨物貿易の黒字額は4500億元を超えた。資本項目をみると、国境を越えた資本の流動にも積極的な変化が現れ、人民元レートと外貨準備が全体として安定をみせた。3月末の外貨準備残高は3兆90億8800万ドル(1ドルは約109.3円)に上り、前月比39億6400万ドル増加し、2カ月連続の増加だった。人民元レート安定の基礎がより着実なものになった。
物価が全体として安定した。1~3月の全国の消費者物価指数(CPI)は同1.4%上昇した。これほどの物価上昇ペースの達成は容易なことではない。2016年のCPI上昇率は2.0%だった。17年1月は2.5%上昇したが、2月と3月の上昇幅は1%を下回り、2月が0.8%上昇、3月が0.9%上昇だった。
|