1987年4月27日、広島市安佐動物園のチリーフラミンゴ16羽がはるばる海を渡り、重慶動物園にやって来た。あれから今年で30年経ったが、16羽のチリーフラミンゴはどのような経緯で重慶にやって来たのだろう?重慶動物園から海外の動物園に渡った動物もいるのだろうか?重慶晩報が報じた。
1986年広島と重慶が友好都市提携
退職前は重慶動物園の飼育員だった熊亜さんは当時、16羽のチリーフラミンゴの飼育を担当し、「動物園に全身ピンク色の『客』が16羽もやって来て、みんなとても喜んだ。動物園も前もって専用の飼育場所を準備した」と振り返る。
では、16羽のチリーフラミンゴはなぜ日本から重慶にやって来たのだろう?実は86年、重慶は広島と友好都市提携を結んだ。広島は、フランスのトゥールーズ、米国のシアトルに継ぐ、重慶の3番目の友好都市で、アジアでは初の友好都市だった。
同年4月、広島整備局の川村尋男局長と安佐動物園飼料課の永瀬瑞穂課長らが、広島市の動物園関係者で構成された代表団と共に重慶動物園を訪問し、動物を寄贈し合うことで合意し、合意書に調印した。
重慶動物園のレッサーパンダ3匹が日本に寄贈
資料を調べてみると、87年、重慶動物園と広島の動物交流は活発だった。
関係者によると、「その年、日本から16羽のチリーフラミンゴだけでなく、アミメキリン2頭もやって来た。動物園はその年の初めから、日本からやって来るキリンが暮らすためのキリン館を建設して準備していた」という。
同年5月、安佐動物園の責任者が重慶動物園を4日間訪問し、双方は動物の借り受けや輸送、交換などをめぐる話し合いを行い、会議覚書きに調印した。そして、同年10月、重慶動物園のキリン館で、日本のキリンとチリーフラミンゴの寄贈セレモニーが開催され、重慶市の肖秧市長と広島市の福島隆義副市長が出席した。
一方、重慶動物園はキンシコウ2匹を安佐動物園に送り特別展示を行ったほか、レッサーパンダ3匹を寄贈した。同年6月22日、重慶動物園のキンシコウ「龍龍」と「華華」が安佐動物園で展示され、2匹を見ようと120日間で計26万9000人が訪れた。そして、7月、レッサーパンダ3匹が安佐動物園に到着。一方、「龍龍」と「華華」は10月に重慶に戻った。
友好使者である動物の交換や寄贈・受贈の歴史は長い。重慶動物園の責任者は取材に対して、「85年以前も、当園は華南トラやパンダなどを北京や成都の動物園を経由して朝鮮やドイツなどに寄贈していた。85年以降も、米シアトルやポーランド、カナダのトロント、カルガリー、広島,インドネシア・ジャカルタ、韓国・釜山(プサン)、香港地区などの動物園と国際交流を行った」という。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年5月2日
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