インドの俳優・アーミル・カーンが主演のインド映画「Dangal」が今月5日に中国で公開され、好評を博している。微信(Wechat)のモーメンツに絶賛する声が見られるほか、ネット上でも高く評価され、最近では最も口コミ評価の高いセンセーショナルな映画となっている。では、同作品が中国で大ヒットしている理由は何なのだろう?その理由はストーリーが強い共感を与えているからとの声が多い。広州日報が報じた。
「Dangal」は実話をもとにしたストーリー。実在するインドの元レスリング選手Mahavir Singh Phogat(アーミル・カーン)は母国のためにメダルを取ろうと、必死に頑張るものの、家庭の経済的事情でレスリングを諦めなければならなかくなる。しかしある日、長女と次女が近所の男の子と喧嘩をし、彼らをボコボコにしたのを知って、彼女たちに一度は諦めた夢を託すことを決意する。そして、嘲笑する社会や周囲の人々による反対などの困難にもめげず、娘たちに「猛特訓」を施し、最終的に国際試合で優勝する一流の女性レスリング選手に育てる。
アーミル・カーンが出演した大ヒット映画「きっと、うまくいく」(2003年)は教育問題をテーマにしていたが、「Dangal」は女性差別をテーマにしている。同作品では、父親は娘をレスリングの選手に育てようとするものの、周囲の人々には理解されず冷たい目で見られる。娘たちをレスリングの選手にするために、彼女たちの長い髪もそり落とし、栄養あるものを食べさせ、自作の砂場で練習をさせる。それでも、これらの努力全てが非難の的となり、一度は娘たちにまで嫌がられてしまう。初めて試合参加に申し込んだ際も断られてしまい、主催者は話題のために渋々参加を許可するものの、試合開始前に嘲笑される。女性がレスリング選手になることを理解することも、受け入れることもしてもらえず、嘲笑され、攻撃されても、父親は信念を貫き、女性も男性と同じ権利を持つことができると終始信じる。同映画を見た人たちは、「父親が努力により娘の運命を変えるというストーリーは、本当に熱い!」、「この父親は、娘たちの人間としての価値を見出し、それを尊重している」との感想を述べている。
中国で「インドの大物俳優・劉德華(アンディ・ラウ)」と呼ばれているアーミル・カーンは中国でも有名。主演の「PK」(14年)は中国で公開されたインド映画の最高興行収入を記録し、「きっと、うまくいく」は、今でも中国のネット上で口コミ評価の高い作品となっているなど、高い人気を誇る。中国で公開された「Dangal」は、アーミル・カーンが自ら画像編集したバージョンで、中国人の好みに合ったリズムの早い仕上がりとなっている。「同作品の99%がノンフィクション。この物語をシリアスに伝えたかった」とアーミル・カーンは語っている。「シリアス」と言っても淡々とストーリーが展開されているという意味ではなく、うまくリズム感が保たれ、感動あり、笑いあり、興奮ありの内容。カルチャーショックを感じさせられるところは全くなく、中国でも強い共感を与えてくれる。(編集KN)
「人民網日本語版」より 2017年5月10日
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