タイの観光・スポーツ省のポンパーヌ事務次官は16日、「今年1-4月、タイのインバウンド客は前年同期比2.91%増の延べ1202万人、観光収入は前年同期比4.71%増の6216億バーツ(約2兆326億円)に達した。うち、中国人観光客の観光収入に対する寄与度が最大だった」と明らかにした。新華社が報じた。
同日の記者会見で、同省は、今年1-4月のタイの観光業の発展状況を説明した。統計によると、同期間中、タイを訪問した中国大陸部からの観光客は前年同期比7.50%減の延べ318万人だった。中国大陸部からの観光客のタイでの旅行消費額は前年同期比5.46%減の1619億バーツ(約5294億円)だった。どちらも、前年比で減少となっているものの、人数や旅行消費の面で、中国人観光客は外国人観光客の中でトップをキープしている。
タイ政府は、強制ショッピングを撲滅してタイの観光のクオリティを向上させるために、昨年8月末から、「激安ツアー」の撲滅キャンペーンを実施している。それにより、中国人観光客の数が減少に転じたものの、タイの観光業界は同キャンペーンを支持しており、今後、中国からの自由旅行者が増えることを期待している。
タイのカシコン銀行の研究センターは、「タイ政府が昨年から激安ツアーの撲滅キャンペーンを実施して以降、タイを訪問する中国人観光客の市場は調整期に入った。アジア各国が現在、中国人観光客の争奪戦を繰り広げており、タイにとってもライバルとなっている」と分析している。
しかし、同センターは、「タイと中国をつなぐ航空会社の路線が増加するにつれ、タイ観光の商品は多元化し、夏休みや国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた大型連休など、観光のオンシーズンが到来すると、中国人観光客の市場は少しずつ好転し、中国大陸部からタイを訪問する観光客の数は今年通年で5-7.5%増になり、観光収入も4700-4800億バーツ(約1兆5370億-1兆5696億円)に達するだろう」と予測している。
さらに、同センターは、「中国からの自由旅行者は、体験式の観光、じっくり型の観光に重きを置いており、タイ政府や観光業者は中国市場の新たな動向に注意していなければならない」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年5月17日 |