中国は5月14、15両日に「一帯一路」(the belt and road)国際協力サミットフォーラムを成功裏に開催した。各国は中国の習近平国家主席の演説と挨拶に強く注目し、「一帯一路」に関する中国の政策動向を全面的に深く知ろうとした。(文:華益声・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
習主席は開会式の演説で「『一帯一路』建設は既存のものを覆して新たなものを作るのではなく、戦略の連結と強みによる相互補完を実現する。さらに明確にしたい。中国が他国の内政に干渉することはなく、社会制度や発展モデルを輸出することも、ましてや押しつけることもない。古い地政学的角逐を繰り返すことはなく、協力・ウィンウィンの新たなモデルを切り開く。安定を破壊する小集団を形成することはなく、調和・共存の大家族を築く」と重ねて表明した。
「イニシアティブ」である「一帯一路」に強制性はない。したがって中国は「一帯一路」の提唱者であり、コントロールする者ではない。中国は「一帯一路」を開放的包摂の発展プラットフォームとして築き、各国が平等に参加、貢献し、利益の果実を分かち合えるよう尽力する。中国は「共に話し合い、共に建設し、共に分かち合う」原則を堅持し、「一帯一路」各国が尊重し合い、民主的話し合いを通じて共に方針を決定することを堅持する。
「一帯一路」の重要な中身が政策面の意思疎通であり、その核心的原則は利益の共通点を探ることだ。この原則に基づき、中国は政策面の意思疎通において前向きな成果を得た。中国はロシアの「ユーラシア経済連合」、ASEANの「コネクティビティ総合計画」、カザフスタンの「ヌルリ・ジョーリ」(明るい道)、モンゴルの「発展の道」と政策調整を行った。フォーラム期間に、中国は各国と「一帯一路」協力政府間覚書に調印した。
「一帯一路」は人類運命共同体の構築という追求に合致する。世界各国は一層複雑なグローバルな試練に直面しており、利益融合の運命共同体を形成して初めてこれに対処できる。現在、覇権主義、強権政治、新干渉主義が台頭傾向にあり、一部の国は同盟関係を盲信し、小グループの利益を公益より優先している。これらは世界・地域情勢に影響する不確定要因、不安定化要因の解消を困難にしている。このため中国は各国に対して、自国の利益を追求すると同時に他国の理に適った懸念にも配慮し、自国の発展を図る過程で各国の共同発展を促進し、自らの安全を維持すると同時に共通の安全にも配慮するよう呼びかける。
「一帯一路」は必ず平和に寄与する。習主席は演説で、平和の道の建設を「一帯一路」の広大な展望の筆頭に挙げた。中国は協力・ウィンウィンを核心とする新型の国際関係を構築し、対立ではなく対話、同盟ではなく道連れのパートナーシップを構築する。中国は各国が互いの主権、尊厳、領土の一体性を尊重し、互いの発展路線と社会制度を尊重し、互いの核心的利益と重大な懸念を尊重する必要性を強調する。共通、総合、協調、持続可能な安全保障観を確立し、共に建設し、共に享受する安全保障構造を築く。
「一帯一路」は世界の発展に対する中国の貢献であり、世界平和を維持する重要な公共財でもある。このイニシアティブを打ち出し、実行することは、世界の平和・安定にとって幸いなことだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年5月19日
|