風穏やかにして日うららかな5月の北京、中国外交は見せ場続きだった。ホームグラウンド外交は「ファンを取り込み」、周辺外交は精密かつ正確に力を注いだ。活発な交流が行われ、素晴らしい場面が次々に見られた。(文:阮宗沢・中国国際問題研究院常務副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
第1に、「一帯一路」(the belt and road)国際協力サミットフォーラムは実り豊かな成果を挙げた。習近平国家主席と参加29カ国首脳は円卓サミットで共同声明を採択した。これは重要な政治成果文書であり、各国の協力の共通認識を十分に反映し、「一帯一路」建設の国際協力展開、開放型世界経済構築の方向を指し示し、「中国の構想」が「国際構想」に格上げされたことを示した。この盛大な会議は中国にとって多国間外交を積極的に展開する契機でもあり、習主席は各国首脳と会談し、関係各国との友好協力関係を力強く促進して、参加各国及び国際社会の高い賞賛を浴びた。
第2に、中国はASEAN諸国と「南中国海における行動規範(COC)」の枠組で合意し、中国・ASEAN関係が急速な発展の成長期から質的向上の成熟期へと踏み出す後押しをした。COCは「南中国海における関係国の行動宣言(DOC)」の延長線上にあり、COC協議の早期妥結は南中国海地域の平和・安定促進に資する。中国とASEAN諸国は5月17、18両日に貴陽で「南中国海における関係国の行動宣言」実行第14回高官協議を開き、COCの枠組で合意した。これは序言、目標、原則、基本的誓約、最終規定を含み、各国の利益と懸念に全面的に配慮し、COC協議の得た重要な段階的成果を示し、今後に向けた基礎を固めるとともに、地域のルールの一層の拡充と整備に重要な役割を発揮するものだ。
第3に、南中国海問題をめぐる中国とフィリピンの二国間協議制度が正式に始動し、南中国海問題は対話と協議の正しい道に戻った。5月19日に初会合が貴陽で開かれ、双方は南中国海関連の議題について友好的な対話・協議を行った。これは昨年10月のドゥテルテ比大統領訪中時の両国首脳間のコンセンサスを実行に移す重要な一歩であり、双方が信頼関係を構築し、海洋協力と海洋安全保障を促進するプラットフォームでもあり、半年ごとに両国で交互に会合が開かれる。この制度は共通認識を形成し、相互信頼を強化し、溝を適切に管理・コントロールし、海洋実務協力を推進して、争いの最終的解決に向けた環境を整えることを旨としている。ドゥテルテ大統領も「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに出席し、中比は協力文書複数に調印した。
第4に、韓国の特使が訪中し、関係の立て直しを図った。5月18日~20日、韓国の文在寅大統領が就任後直ちに李海●(王偏に賛の「夫」がそれぞれ「先」)特使を派遣したのは、韓国新政権が対中関係を重視し、両国関係の改善を差し迫って望んでいることの表れだ。習主席は李特使との会談時「中国側は中韓関係を重視している。韓国側と共に中韓関係の得難い成果を維持し、相互理解と相互尊重を基礎に政治的相互信頼を強固にし、溝を適切に処理し、中韓関係が早期に正常な道に戻るよう後押しし、改善と発展を実現したい」と表明した。李特使は「韓国側は中国側の重大で理に適った懸念を十分に理解している。中国側と意志疎通や調整に一段と力を入れ、両国関係の発展を阻む問題の適切な解決を検討したい」と表明した。
一か月足らずの間に中国外交が得た目覚ましい成果は、信用を重んじて仲睦まじさを追求し、十分な蓄積を踏まえて成功を収めることの具体的な表れであり、大国の度量をはっきりと示している。現在世界の直面する「平和の欠損、発展の欠損、ガバナンスの欠損」という試練に対して、中国は協力・ウィンウィンの理念とシルクロード精神を堅持し、「一帯一路」建設を推し進め、協力の大計を共に話し合い、開放的プラットフォームを共に建設し、発展の成果を共に分かち合う。中国外交は変転極まりない国際情勢に落ち着いて対処し、世界の混乱と変動の中で不動の戦略と主導的行動を保ち、世界の広範な賞賛を浴びた。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年5月25日
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