アジアインフラ投資銀行(AIIB)は6月16日-18日、韓国の済州島で第2回目の年次総会を開いた。今回のテーマは「持続可能なインフラ」。AIIBのインフラ投資支援を通じたアジア経済ひいては世界経済発展への決意、グリーン発展を不断に追求する姿勢が明らかとなり、各方面から称賛された。
AIIBは期間中に、トンガ、アルゼンチン、マダガスカルの加盟を承認した。加盟国拡大は昨年1月の正式開業以来3回目で、加盟国は合計80カ国・地域に増えた。加盟国数から見ると、AIIBは世界銀行に次ぐ多国間金融機関となった。AIIBはこのほか、世界銀行、アジア開発銀行(ADB)、欧州復興開発銀行(EBRD)、欧州投資銀行(EIB)などと協力協議を結んでいる。「友人の輪」の拡大は、世界がAIIBを信頼し、その業績を評価していることを示す。
世界がAIIBへの傾斜を深め始めたのは何故だろう?AIIBは設立から1年半で目覚ましい成果を上げた。パキスタン、タジキスタン、バングラデシュ、インドネシアなどアジア諸国のプロジェクトに20億米ドル超の融資を提供し、官民合わせて100億米ドル超の投資を喚起した。バングラデシュの送電網増強プロジェクトでは、農村部で1250万人以上が恩恵を受けるほか、インドネシアの貧民街再開発では970万人にメリットをもたらす見込みだ。年次総会を前に、AIIB理事会は計3件、総額3.24億米ドルの投資プロジェクトを承認。インドのインフラ基金には、AIIB初となる1.5億米ドルの株式投資を行うことを決めた。
AIIBの提唱国であり最大の出資国でもある中国は、「AIIBの設立や今後の政策決定、管理運営のプロセスについては、共に協議、共に建設、共に享受の原則を貫く」と、改めて強調した。AIIBはすべての加盟国のものであり、アジアと世界全体のために尽力する。AIIBは世界銀行など多国間金融機関と広く協力しており、2016年の融資だけを見ても9件のうち6件が協調融資となっている。
AIIBは今回の年次総会で、「アジアの持続可能なエネルギー戦略」を発表。AIIBが承認する全てのエネルギーインフラプロジェクトはCO2排出量が少ないものでなければならないと提起し、加盟国の低炭素社会への移行を助ける方針を示した。米国が「パリ協定」離脱を表明するなか、このような行動は大きな意義がある。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の気候変動専門家であるニコラス・スターン氏は、「この戦略は時宜にかなっている」と指摘。融資分野で専門家が増えれば、低炭素社会の実現という目標実現へのチャンスも拡大するとみている。
拡大し続ける「友人の輪」、目覚ましい業績、筋の通った発展理念――、AIIBがグローバルガバナンスで発するシグナルに、世界が共鳴する。AIIBは希望と信頼を満載して力強く帆を揚げる。アジアと世界の人々のために多くの発展機会を創出するとともに、グローバルガバナンスに新たな息吹を吹き込む。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月19日
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