香港の祖国復帰(香港返還)20周年を前に、7月1日に就任する香港特区の林鄭月娥・次期行政長官が報道陣の共同インタビューに応じた。林鄭氏は就任後、特区政府を率いて香港を国の活気ある都市にし、満足感の高い生活を市民に提供すると表明した。
■復帰前後の香港の発展と変遷を目にしてきた林鄭氏
1980年から公職に就いた林鄭氏は香港市民のために働いてすでに36年以上、復帰前後の香港の発展と変遷を身をもって体験し、目にしてきた。林鄭氏は、「過去20年間、香港は『一国二制度』、『香港人による香港統治』、『高度の自治』の方針を実行し、繁栄と安定を維持し、中央の力強い支持の下、困難と危機の処理に成功して、難関を乗り越え、活力に溢れることができた。『一国二制度』の実行は大変成功した」と指摘。
「過去20年間、香港経済の発展は起伏を経験したが、GDP累積成長率は82%に達した。経済・社会発展水準の比較的高いエコノミーにとって、これは到底容易なことではない」と述べた。
■「香港独立」に活路はない
林鄭氏は3月の香港特区行政長官選挙で当選した。林鄭氏は、「香港特区行政長官は中央政府に対して責任を負い、香港特区に対しても責任を負う。中央の要求と香港の実情の両者の関係をうまく処理するには、基本法に正確に照らして事を処理する必要がある。基本法は香港における『憲法』にあたる法律であり、行政長官及び特区政府が香港において『一国二制度』を正確に実行する根拠であるからだ」と述べた。
近年香港社会に見られる「香港独立」の言動について、林鄭氏は「『香港独立』に活路は全くない。『一国二制度』の最初の志と本来の意図は香港特別行政区が国の不可分の一部であることを含むうえ、香港復帰は国の主権、安全、発展上の利益を守る上でプラスだ」と表明。
「香港市民の圧倒的多数は『香港独立』を検討可能な構想と考えたことはないはずだ。今後特区政府は厳格に法に基づき事を処理する。『香港独立』行為は全て法律違反であり、厳格に取り締る」と強調した。
■香港を活気溢れる都市に
今後5年間の特区政府の施政目標と自らの期待について、林鄭氏は、「豊かな政務経験を用いて、行政長官選の際にに示した理念に従い、香港を国の活気溢れる都市にすべく努力する」と表明した。
そして、「香港の将来に対して私が期待するのは、香港市民に生活の満足感が非常に高い場を提供し、青年に各自の長所を伸ばす機会を提供し、中年世代に安心して暮し、楽しく働ける環境を提供し、高齢者が晩年を安らかに楽しめるようにすることだ」とした。林鄭氏は、こうした目標を達成するために次期特区政府が優先的に強化する取り組みとして、(1)土地・住宅政策。不動産の価格が高く購入が困難という問題を解決する(2)教育。一層のリソースを投じて十分な人材を育成し、香港の将来の発展を支える(3)香港の経済構造をさらに多元化し、従来型産業を強固にし、高め、イノベーション科学技術産業とクリエイティブ産業を開拓する――を挙げた。
林鄭氏は、「特区政府が公共サービスの提供者と市場監督者のレベルに留まってはならない。より力強く香港経済を発展させるには、特区政府はさらに2つの新たな役割を担わなければならない。多くの取り組みを成就に導くこと、そして全世界に香港を売り込むことだ」とした。
過去20年間を振り返り、林鄭氏は、「香港の経済発展と国の発展は切り離せない。国の発展の各段階において、香港はその大きな背景の下で自らの経済成長源を探る。香港は過去、国の改革開放の恩恵を受けて、国際金融センター、海上輸送センター、貿易物流センターとなった。将来は『一帯一路』(the Belt and Road)建設において、さらに大きなチャンスを得る」とした。(編集NA)
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インタビューに応じる林鄭氏(撮影・王暁霞) |
「人民網日本語版」2017年6月22日
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