第1回中米外交・安全保障対話が21日、米ワシントンで開催された。これは建設的で実りある対話で、中米関係の長期安定という重要なシグナルを国際社会に伝えた。
シグナルその一 高官級戦略的コミュニケーションを強化
中国の習近平国家主席と米国のトランプ大統領は今年4月、米フロリダ州パームビーチで会談し、新時代の中米関係発展の幸先いいスタートを切った。中米高官級戦略的コミュニケーションの強化の継続が、その特徴の一つとなった。これは双方が互いの戦略的意図を正確に見据える上で重大な意義を持つ。
中米首脳会談後、習主席はトランプ大統領と電話会談を2回行った。中米双方は21日の対話で、高官級の緊密な交流の維持が極めて重要であると表明した。対話の内容を見ると、中米高官級交流は下半期に集中的に行われ、注目を集めることになる。中米首脳は7月、G20ハンブルク・サミットの会期中に会談を開く。その他の3つの高官級対話枠組みである、包括的経済対話、法執行・サイバーセキュリティ対話、社会・人文対話が、年内に初開催される。ティラーソン国務長官は米国務省の記者会見で、トランプ大統領が今年下半期に中国を公式訪問することに期待していると述べた。
シグナルその二 両軍が実務的協力を積極的に模索
第1回中米外交・安全保障対話は中国の楊潔チ国務委員、米国のティラーソン国務長官、マティス国防長官が共同議長を務めた。房峰輝連合参謀部参謀長(中央軍事委員会委員)らも対話に出席した。
両軍関係について、今回の対話では前向きな進展があった。双方は年間交流・協力プログラムの履行、国防部長の相互訪問、米軍統合参謀本部議長の訪中の早期実現で合意した。中米両軍はさらに人道主義援助・災害救助、海賊撲滅、軍事医学などの分野における協力を掘り下げ、信頼措置構築に向けた覚書の実行に尽力する。マティス長官は米国務省の記者会見で、初の対話について「我々が創造できる互恵・ウィンウィンの未来を垣間見ることができた」と話した。
軍事安全の相互信頼は、中米戦略的相互信頼の基礎だ。中米両軍関係は近年、全体的に安定的に発展している。両国首脳の共通認識の履行に伴い、両軍が新たなスタートラインに立ち、建設的・実務的・効果的な協力関係を発展させることに期待できる。
シグナルその三 共通認識の拡大に尽力し、食い違いをコントロール
注目すべきは、双方が初の中米外交・安全保障対話で、一つの重要な共通認識を示したことだ。これは互恵・協力分野の拡大に共に尽力し、相互尊重を踏まえた上で食い違いをコントロールし、中米関係の長期的・安定的で健全な発展を促すということだ。
朝鮮半島の核問題から南中国海問題、国際テロ対策から中東・アフガンなど両国が共に関心を寄せる国際・地域問題など、双方は対話の中で重大もしくは敏感な問題を直視した。米シンクタンク、ブルッキングス研究所ジョン・ソーントン中国センターの李成ディレクターは「今回の実務的な対話において、中米が共に関心を寄せる外交・安全面の問題の、ほぼすべてが取り上げられた」と述べた。
ティラーソン長官は米国務省の記者会見で「中米は今回の対話のように、共通する安全の利益をめぐる問題で協力分野を拡大することに取り組む必要がある。両国は食い違いを直視しすることで、初めてこれを縮小し問題を解決することができる」と述べた。
シグナルその四 中米関係の長期安定を促進
中米関係は世界で最も重要な二国間関係の一つだ。中米の定例対話・協力枠組みは、両国関係発展の重要な支柱だ。楊国務委員は対話において「両国首脳の共通認識に導かれ、両国関係は最近、新たな積極的な進展を手にしている。双方は中米関係の発展の大方向をしっかり把握し、中米関係のさらに積極的な進展の実現を促すべきだ」と述べた。ティラーソン長官は今回の対話について「過去40年に渡り、中米関係は深い変化を経験した。今回の対話は我々が次の40年に、いかに接触し共存するかを考える機会を与えてくれた」と話した。
中米首脳の共通認識、相互依存の現実、共通の利益により、期せずして次の40年という同じ目線に立つことができたが、これは今回の対話で積極的な成果が得られた重要な原因と分析されている。
当然ながら一度の対話で、中米間のすべての問題を解決できるわけではない。習主席が強調したように、中米両国に食い違いが存在するのは正常であり、重要なのは敏感な問題を適切に処理し、食い違いを建設的にコントロールすることだ。
意思疎通は協力と食い違いのコントロールを実現する基礎であり、協力は唯一の正しい選択肢だ。国際構造に大きな変化と調整が生じるこの時代、中米が二国間関係の長期安定を維持することは、世界平和と発展への重要な貢献となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月23日
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