中国鉄路総公司が中心となって研究開発し、中国が完全に独自の知的財産権を持つ中国標準の新型高速列車が25日、「復興号」と命名された。これにより中国の鉄道技術装備における全く新たな時代が到来した。また、これは科学技術強国の夢の実現にとって重要な一里塚となる。(文:胡鞍鋼・清華大学国情研究員院長、任皓・同博士課程生。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
4年半前、習近平総書記は「復興の道」展を見学した際、「中華民族の偉大な復興」という中国の夢を打ち出した。その4年半後である今日、「復興号」が登場し、この復興が偉大な民族の復興を呼びかけている。
1年前の2016年5月30日、習総書記は全国科学技術革新大会、中国科学院第18回院士大会、中国工程院第13回院士大会、中国科学技術協会第9回全国代表大会で、世界的科学技術強国の建設を呼びかけた。習総書記は「2020年までにイノベーション型国家の列に加わり、2030年までにイノベーション型国家の前列に加わり、新中国成立100年までに世界的科学技術強国になる」との「三段階」戦略目標を打ち出した。
世界的科学技術強国とは何か?2016年5月の「国家革新駆動型発展戦略綱要」は、2050年までに世界科学技術革新強国、世界の主要な科学センター及びイノベーション高地となって、富強・民主・文明・調和の社会主義現代化国家の建設、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現を力強く支える方針を打ち出した。
中国は世界的科学技術強国を建設できるのか?ここでわれわれは、米国のみを追いつき、追い越す対象とする。研究開発費を見ると、R&D投資・資本ストックが中国のイノベーション力の新たな強み及び重要な国家科学技術戦略資源となりつつある。R&D資本ストックは1999年には米国の12%に過ぎなかったが、2015年には37%まで高まり、2030年には135%に達する見通しだ。
研究人材資源を見ると、人材資源は中国のイノベーションの長期的な強み及び最も重要な国家戦略資源となっている。中国の研究開発に従事する人々のフルタイム当量(FTE)に基づき試算すると、2015年には2000年(92万2000人)の4.27倍に相当する393万3000人に達した。これは米国の2.94倍であり、2030年には米国の5倍以上に達する見通しだ。
労働生産性を見ると、労働生産性は世界の2015年には技術の最前線を追う基本的な道となっている。中国の労働生産性の米国との「追いつき係数」は21.6%に過ぎなかったが、2030年には50%に高まる見通しだ。
世界的経済強国をどう建設するのか?これには経済強国、製造強国、科学技術強国を含む「強国方略集」を打ち出す必要がある。経済強国は基礎となり、製造強国は中心であり、製造業が強くなることで初めて実体経済を強化できる。科学技術革新強国は原動力であり、科学技術が強くて初めて供給側から経済強国と製造業強国の建設を後押しできる。
「科学技術が興れば民族が興り、科学技術が強くなれば国家が強くなる」。中国は世界最先端の科学技術成果を多く実現している。神舟11号と天宮2号の打ち上げ成功、「中国天眼」こと世界初の口径500メートル球面電波望遠鏡の完成、スーパーコンピュータ「神威・太湖之光」の世界最速維持、世界初の量子科学実験衛星「墨子号」による1200キロメートル間の量子もつれ実現、完全に独自の知的財産権を持ち、世界先進水準に達した中国標準の車両「復興号」などだ。
現在、中国は世界の科学技術革命の落伍者、学習者、後発者から、革新者、貢献者、先導者への重大な転換を実現しつつある。中国は必ず今世紀前半に世界的科学技術強国となり、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現を科学技術の面から力強く支える。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年6月27日
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