20年前の今日、香港が祖国の懐に帰ったことは、民族の100年の恥辱をそそぎ、祖国の完全統一に向けた重要な一歩を踏み出した。
星が移り季節が変わり、年月がまたたく間に流れた。香港が祖国に復帰してすでに20年が経った。20年来、香港は祖国をよりどころに、世界に向かって、ますます新しいものを生み出し、自己の現代的な様相を不断に形作ってきた。「一国二制度」は香港における実践で全世界が認める成功を収めた。
「一国二制度」の下、香港独自の特色と優位性は保たれ、中国と西洋を合わせたロマンチックな様子は変わったことなく、活力に満ちた町の魅力は以前にも勝っている。香港のもともとの資本主義制度とライフスタイルは変化せずに保たれ、法律も基本的に変わっていない。香港の同胞は主人公となって政治に参与し、特別行政区の自治範囲内の業務を自ら管理しており、香港住民は歴史上いかなる時期よりもさらに広範な民主的権利と自由を有している。香港はアジア通貨危機やSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行、世界金融危機のショックに耐え、国際金融や水上運輸、貿易センターの地位を打ち固め、数多くの国際機関から全世界で最も自由な経済地区かつ最も競争力を有する地区の一つと評価され続けている。
実践は次のことを十分に証明している。「一国二制度」は歴史的に残された香港問題の最良の解決方法であり、香港が祖国復帰後、長期的に繁栄と安定を保つための最良の制度でもあり、実施可能で、やり遂げられ、人心を得られるものである。
「一国二制度」は中国の偉大な試みだ。国際社会が類似の問題を解決する際に中国が提供する新しい思考と方法であり、中華民族による世界の平和と発展のための新たな貢献であり、「海納百川、有容乃大(海がたくさんの河川を受け入れ、許容して大きくなっている)」ような中国の知恵を凝縮している。
いまだかつてなされなかった先駆的な事業として、「一国二制度」は実践の中で不断に模索していかなければならない。この機会に、私は今後香港で「一国二制度」がより良く実行されるために、いくつかの意見を述べたい。
第一に、常に「一国」と「二制度」の関係を正確に把握すること。「一国」の原則の堅持と「二制度」の差異の尊重、中央政府の権力の維持と香港特別行政区の高度な自治権の保障、祖国大陸部の強い後ろ盾の機能の発揮と香港独自の競争力の向上を有機的に結合させ、いかなる場合にもどれもゆるがせにしてはならない。
第二に、常に憲法と基本法に基づいて進めること。憲法と基本法が定める法制秩序を実行する際には、中央政府の法に基づく権力行使と特別行政区の主体責任の履行を有機的に結合させなければならず、基本法の実施と関連する制度とメカニズムを完全なものにしなければならず、香港社会、特に公務員と青少年に対する憲法と基本法の普及・教育を強化しなければならない。これは全て「一国二制度」の実践における必然の要求であり、法に基づく統治と香港の法治の維持を全面的に推進することの持つべき意義でもある。
第三に、常に発展という第一任務に焦点を合わせること。香港は祖国のバックアップの下で、世界に向かっており、発展に向けた多数の有利な条件と独自の競争優位性を持っている。特に近年、祖国の持続的な急成長は香港の発展に得難いチャンス、尽きないエネルギー、広大な空間を提供した。みなさんは必ずチャンスを大切にし、チャンスをつかみ、主な精力を建設と発展に集中しなければならない。
第四に、常に調和の取れた、安定した社会環境を維持すること。「一国二制度」は中華文化における和と合の理念を含んでおり、体現している一つの重要精神は「大同を求め、大異も残しておくこと(すなわち「一国」という原則を堅持し、「二制度」という差異を認める)」である。香港は豊かな蓄積を持っているが、大きな試練に直面しており、無茶なことに耐えられず、内輪もめの消耗にも耐えられない。一致団結し、心を一つにして協力することのみによって、はじめて香港という共同の家を立派に建設することができる。
香港で成功した「一国二制度」の実践を不断に推進することは、中国の夢の重要な一部だ。中央政府は「一国二制度」の方針を徹底する際に以下2点を堅持する。一つは確固不動で、変わらず、動揺もしないということ。もう一つは全面的に正確に、「一国二制度」の香港における実践が曲がりくねったり、形を崩したりすることなく、常に正しい方向に向かって進むように保証すること。われわれは社会主義制度を実施する大陸部をしっかりと建設するとともに、資本主義制度を実施する香港をしっかりと建設していく。
偉大な祖国という有力な後ろ盾、中央政府と大陸人民による強力な支持、そして祖国復帰後の20年間に積み重ねられた豊富な経験としっかりとした発展の基礎、香港特別行政区政府と社会各界人士の団結と奮闘に支えられ、「一国二制度」の香港における実践は必ずまた新しいページを開き、香港は必ずまた新しい輝きを放ち出すと私は固く信じる。
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