中国は目下卒業シーズンを迎えており、起業を選ぶ大学生がますます増えている。高等教育の情報サービス企業・麦可思(MyCOS)と中国社会科学院が先ごろ共同発表した「2017年中国大学生就職報告書」によると、中国の大卒者で自ら起業する割合が、5年連続で上昇している。大卒後直ちに起業をする割合は、2011年度の1.6%から2017年度の3%に上昇している。中国青年報が伝えた。
同報告書によると、卒業半年後に自ら起業した2013年度学部卒業生の46.2%が、3年後もその状態を継続させていた。高等職業学校・高等専門学校卒業生におけるその割合は46.8%。つまり3年以内に過半数の起業者が起業を諦めたことを意味し、失敗のリスクを無視できないことが分かる。しかし起業の波に乗ろうとする大学生は増える一方だ。2013年度大卒者のうち2.3%が半年後に自ら起業しており、3年後に起業した人は5.9%となっている。
中国教育科学研究院の儲朝暉氏は30日、中国新聞社が主催し、首都師範大学が共催する就職・起業関連フォーラムにおいて、「起業能力は、大学生の起業を左右するキーポイント。米国の大卒者の22−23%という割合と比べると、中国の大学生の起業の割合は依然として低い。これは多くの大学生の能力が、教育により損なわれているからだ。彼らは十代から答えの決まった大量の問題を解き、自分の独立した志向を持たない。多くの大学では現在、起業育成班が開講されているが、学生に使命感を教えていない。起業ができる人とは、自分の天性に回帰できる人だ。誰もが自分の創りたいものと創るという天性を持っている。天性に回帰し資源を支配・調整することで、最後に起業の夢を実現できる」と的を得た指摘をしている。
起業の夢を実現するためには、まず現実を出発点とする必要がある。中国科学院心理研究所国家公務員心理・行為研究センター長の祝卓宏氏は、「大卒者は現実離れしていて、起業前に社会の変革、国家政策への理解を掘り下げなかったために、起業に失敗することが多い。自分の長所が何かを理解しなければならない」と述べた。
清華大学教育学院の史院長は、「起業の成功率を過度に強調する必要はない。私の院生は公益事業に非常に熱心で、卒業後に教育会社を興し、エンジェル投資を手にしたが、続けられなかった。今は大企業に就職している。これは起業失敗の例ではない。彼は試してみたが成功せず、自分の職業発展の道を調整した。数年後には再び起業を選択することだろう。彼の信念が、そこにあるからだ。社会は失敗に寛容になり、大学生の多元的な選択を支持するべきだ」と話した。
人民網日本語版より2017年7月3日 |