中国の習近平国家主席は3~8日、ロシアとドイツを公式訪問するほか、ハンブルクで開催される第12回G20サミットに出席する。複雑に入り組んだ国際情勢の下、習主席の今回の訪問には重大な意義があり、露独との二国間関係をさらに引き上げるだけでなく、グローバル・ガバナンスの一層の整備、世界経済の成長と平和・安定の促進にも寄与する。(文:阮宗沢・本紙特約論説員、中国国際問題研究院常務副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中露は互いに最大の隣国であり、共に国際問題で一挙手一投足が決定的影響を及ぼす大国だ。両国の上層部相互訪問は頻繁かつ緊密で、両国関係は史上最高水準に達している。プーチン大統領は5月に中国で「一帯一路」(the Belt and Road)国際協力サミットフォーラムに参加し、9月には厦門(アモイ)でBRICSサミットに出席する。両国首脳の戦略的計画・先導の下、双方は「一帯一路」建設とユーラシア経済連合の連携を積極的に推し進め、両国の包括的協力の踏み込んだ発展を推し進め、共通利益の紐帯を強固にし続けている。習主席の訪露期間、双方は経済・貿易、エネルギー、投資、コネクティビティ、メディア、教育分野の重要協力文書に調印し、両国の高水準の政治的相互信頼の優位性を、さらに多くの実務協力の成果に転化し、両国民に利益をもたらすという。
中独関係は互恵・ウィンウィンのアップグレード版を築きつつある。中独関係のうま味は増える一方だ。習主席の2014年の訪独で、中独関係は包括的・戦略的パートナーシップに格上げされた。それから3年間の中独関係の成果はめざましく、現在も大きな発展の新たなチャンスを迎えている。現在までに中独間には経済、安全保障、軍縮、人・文化など多分野に及ぶ70余りの対話制度が設けられ、昨年中国はドイツにとって最大の貿易パートナーとなった。現在国際情勢には不確定性が満ちているが、ドイツ及び欧州の外交政策において中国は重要性を増している。中独関係は中国EU協力の発展を先導するうえで助けとなるだけでなく、世界経済の成長を促進する重要な役割も果たしている。
ドイツ側は今回習主席の訪問をことのほか重視し、豊富で多彩な活動を用意した。大いに注目され、期待されるパンダ館の開館式がドイツ民衆の熱意に火をつけるのは間違いない。中独国交樹立から今年で45年。習主席の今回の訪独は、必ずや中独関係に新たな力強い原動力を与える。
中独は連携してG20サミットの前向きな成果を後押しする。今年G20サミット開催を引き継ぐドイツは、極めて複雑な国際情勢に直面している。中独両国が保護主義への反対、自由貿易体制の維持、経済グローバル化の促進などの問題において同じ声を挙げることは、開放型世界経済を構築し、G20ハンブルク・サミットの成功を確保する助けとなる。
今回のサミットは「相互に関連し合う世界の形成」をテーマとし、杭州サミットの精神を受け継いでいる。サミットは世界経済情勢、貿易、金融、デジタル経済、エネルギー、気候変動、開発、アフリカ、衛生、難民問題、テロ対策などの議題に焦点を合わせる。習主席は演説、各国政府要人との会談などを通じて、世界経済情勢と国際経済協力についての主張を明らかにし、各国の政策調整の強化を後押しし、世界経済の強固で持続可能かつ均衡ある包摂的成長を共に促進し、国際社会の自信を強める。
変化が多く交錯する現代世界を前に、習主席の露独訪問が中露と中独のパートナーシップをさらに突き固め、「相互に関連し合う世界の形成」を促進することは確実だ。グローバル・ガバナンスの整備、世界の平和的発展にとって、これは間違いなく明確で揺るぎない積極的なメッセージ、タイムリーで力強い実務的措置となる。
人民網日本語版より2017年7月5日
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