G20ハンブルク・サミットが7−8日に開催される。G20杭州サミットのテーマを踏まえた上で、ドイツは「相互に関連し合う世界の形成」をテーマとし、「経済の柔軟性の向上」「持続可能な発展の促進」「責任負担」という3つの重点分野を確定した。これらの分野には各5つのサブ議題が含まれ、現在の経済・政治・安全・社会・環境・発展など各方面の15のホットな議題を網羅する。
しかしG20ハンブルク・サミットへの期待度が下がっている。世界的に見ると、トランプ大統領の当選と英国のEU離脱を中心とする分散化の流れは、誠意ある協力を必要とするグローバルガバナンスにとって重大な課題だ。またG20の議題は広範だが着実に履行されておらず、日増しに細分化・複雑化するグローバルガバナンス構造に対応する力が不足しているようだ。
課題を迎えたG20は、これからどこに向かうのだろうか。
世界の対話ネットワークが形成
G20はG20であり、過度に期待することも、その存在価値を過小評価することもできない。今回のG20サミットを紹介するパンフレットの中で、メルケル首相は「G20は価値共有の上に築かれる非公式協力フォーラムだ。G20は私たちに目に見える枠組みをもたらし、相互交流を促進し、私たちの共同の原則への約束を確かにする。協力すれば、単独行動より多くの収穫を得ることができる。力強い国際組織とこの非公式交流は、いずれも不可欠だ」という言葉を寄せた。これはG20への客観的な観察だ。非公式対話は重要性の低さを意味せず、成果が限定的な対話はあってもなくてもいいことを意味しない。
サミット、長官級対話、作業部会対話、サミット組織間の対話と調整、広範な外部組織の対話により、G20グローバルネットワークが形成されている。うち外部組織による対話は7つあり、ドイツは2017年にサイエンス20を追加した。残りの6つはシンクタンク20(T20)、ビジネス20(B20)、女性20(W20)、青年20(Y20)、労働者20(L20)、民間20(C20)。
各界の対話は、世界各地と階層の関心事を反映し、議長国を通じサミットに伝えられる。複雑極まるグローバルガバナンスにとって、G20ほど代表的で効果的な対話の場はないだろう。そのためG20という場の存続は、一部の国や集団の好みによってではなく、現実的な必要性によって左右される。
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