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移り変わる社会の中産階級 米専門家著作の中文版発売

 

中国や日本の研究で名高い米国のエズラ・ヴォーゲル氏の著作「日本の新中間階級‐‐サラリーマンとその家族」の中国語簡体字版が、14日に建投書局上海浦江店で発表会と発売会を行った。中国新聞網が伝えた。

この本の中心となる研究に費やされた時間は2年ほどだが、ヴォーゲル氏は夫人とともに研究対象の追跡調査を続けたため、研究成果は30年の歳月をカバーするものとなった。本には次のような群像が登場する。第二次世界大戦が終わり、日本経済が急速に発展する中、大勢の労働者が大手企業や政府機関に就職し、終身雇用を保障され、家庭、経済、文化の変革がもたらされた。ヴォーゲル夫妻は、「新中産階級の成功の喜びにわきかえった気持ちは今やさまざまな不安に取って代わられている」と結論づける。

今回の中国語版は英語版50周年記念版をベースに翻訳出版されたもので、ハーバード大学の「ミスター中国」などと呼ばれるヴォーゲル氏は、中国人読者のために新たに序文を書き下ろした。

ヴォーゲル氏によると、「最近、多くの中国人世帯が中産階級のライフスタイルの仲間入りするようになり、その一部の人は日本の中産階級の現代的なライフスタイルに特に注目している。『新中産階級』の『新』とは、できたばかりという意味ではなく、『古い中産階級』、すなわち自営業者や地主といった層に対しての『新』だ。『新中産階級』とは、大企業や政府機関で働くホワイトカラーを指しており、この本の中では『サラリーマン』としている。こうしてみると、中国においては、『新中産階級』とは『中所得クラスター』と理解することができる」という。

ヴォーゲル氏が描く1960年代に登場した日本の新中産階級の、そのライフスタイル、消費習慣、教育理念、家族構成、個人の発展の軌跡、コミュニティなどとの関係を構築する中でさまざまにみられる特徴は、最近ますます拡大する中国の中産階級の特徴と大きく重なり合っている。コンテンツ情報サイト「豆瓣」をみると、この本は大勢の若い中国人読者の間で好評を博している。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2017年7月15日

 

 

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