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事実を顧みぬ「中国責任論」の誇張

 

最近、米日などは「朝鮮核問題の解決のために、中国は影響力を十分に発揮し、一層の責任を担い、一層の役割を果たし、一層の措置を講じ、対朝圧力を強化すべきだ」と呼びかけている。中国外交部(外務省)報道官はこれについて「朝鮮半島核問題における『中国責任論』をやめるべきだ」と厳正に表明した。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

米日による「中国責任論」の意図的誇張は、実際には事実を顧みないものだ。朝鮮半島核問題の本質は安全保障問題であり、核心は米朝対立だ。中国は対立の焦点ではなく、緊張をエスカレートさせてもいない。その反対に、朝鮮半島核問題を客観的かつ冷静に受け止めており、解決案は総合的で個別対策と抜本的対策を兼ね備え、各国の合理的懸念に配慮したものでなければならないと指摘している。最近中国側は「デュアル・トラック」アプローチと「相互停止」イニシアティブを打ち出し、不拡散と和平・対話促進を共に強化する「双強化」を提案した。

中国側のこうしたアプローチ、イニシアティブ、提案に、国際社会では支持し呼応する声が高まっている。習近平国家主席のロシア訪問中の7月4日、両国外務省は朝鮮半島問題について共同声明を発表した。共同声明は朝鮮半島核問題の解決に向けた両国の提案と構想の共通性を反映している。中露は重要な共通認識を明らかにし、朝鮮半島核問題を対話・協議を通じて平和的に解決することの重要性を強調し、緊張と対立の激化を招くいかなる言動にも反対するとした。また、関係国に対して、自制を保ち、挑発的行動や好戦的発言を控え、無条件の対話意欲を示し、緊張緩和のために積極的に努力するよう呼びかけた。

中国は朝鮮半島核問題の解決促進、朝鮮半島の平和・安定維持のために積極的に努力し、進んで行動し、重要で建設的な役割を終始発揮している。だが、特定の国は中国の努力に逆行している。朝鮮半島核問題においていわゆる「中国責任論」を誇張し、際立たせるのは、朝鮮半島核問題に対する全面的で正確な理解を欠くのか、魂胆をもって責任転嫁を企てているかのどちらかだ。

朝鮮半島情勢の緊張激化に対して中国は、自制を保って、情勢を制御不能にしないよう各国に繰り返し戒告している。中国は朝鮮に核・弾道ミサイル実験の停止を、米韓にそれに応じた大規模な合同軍事演習の停止を呼びかけている。だが米国は空母など戦略兵器によって朝鮮半島周辺で力を誇示し、一部の人は対朝武力行使のシグナルを発している。日本の安倍政権は朝鮮半島情勢が緊張し、敏感な時に、朝鮮半島「危機」の言論を煽り立てている。地域の国々は戦乱の発生を望まないことで一致しており、火に油を注ぐ米日の行為を憂慮している。

朝鮮の核・ミサイル開発に対して、中国は朝鮮半島の非核化目標を揺るがず後押ししている。国連安保理決議の採択には常任理事国である中国の支持が欠かせず、中国はなおさらに一貫して全面的、真摯かつ厳格に決議を履行している。実際、中朝間の貿易額は2015年、2016年と続けて減少した。今年2月に中国が朝鮮からの石炭輸入を停止すると、朝鮮からの輸入は前年同期比で4月に41%、5月に32%減少した。安保理の対朝制裁は全面禁輸ではなく、中朝間の通常の貿易は安保理決議に違反しない。特定の国が概念をすり替え、中国をいわれなく批判する論拠はない。ましてや国内法に基づき中国側の団体または個人を「管轄」するなど安保理の枠組外で一方的制裁を科すべきではない。

圧力は朝鮮半島核問題解決の唯一の方法ではないと中国は繰り返し指摘してきた。特に関係国が前向きなシグナルを発している時に火に油を注ぐのは、対話・協議の重要なウインドウ期を妨げるものだ。そして北東アジアへの「THAAD」配備は、中露を含む域内国の戦略・安全保障上の利益を深刻に損ない、朝鮮半島の非核化と地域の平和・安定の助けにならない。

「中国責任論」を腐心して誇張するよりも、中国と同じ方向に向かい、自らのしかるべき役割を発揮し、自らの尽くすべき責任を担い、朝鮮半島核問題の対話・協議による平和的解決という正しい道への回帰を共に後押しする方がよい。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2017年7月14日

 

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