静静さんは続ける。「でも今は違う。オフラインでもオンラインでも便利になり、ショッピングセンターから果物を売っている屋台まで、どこでも微信支付や支付宝が使える。衣食住交通のすべてがモバイル決済でまかなえるので、知らないうちにかなりの出費になっている」という。
繁華街をぶらぶらするのが好きな劉丹さん(仮名)は、「モバイル決済の普及にともなって起きた目立った変化の一つは、ウィンドーショッピングで出費の限度額を決めなくなったことだ。これまではたとえば1千元(1元は約16.4円)持って行って、それを使い果たしたら買い物は終わりだった。でも今では微信支付や支付宝などが銀行カードとリンクしていて、ショッピングの限度額が銀行カード(の口座にある金額)を使い果たすまでになり、知らず知らずたくさんのお金を使ってしまっている」と話す。
易観智庫がこのほど発表した「中国第三者モバイル決済市場四半期モニタリング報告」によれば、17年第1四半期(1~3月)には、中国の第三者モバイル決済市場の取引規模が18兆8千億元に達し、前年同期比46.78%増加したという。
▽ますます生活と密接になるモバイル決済
モバイル決済と人々の暮らしとの関わりがますます密になっている。微信支付が提供した資料をみると、微信支付を中核とした「スマートライフソリューション」サービスがこれまでにカバーした店舗や機関などは30を超える産業の100万ヶ所に達し、利用者は微信支付を通じて病院にかかったり、買い物をしたり、食事をしたり、旅行にも行けば、水道代や電気代などの公共料金を支払うようにもなった。微信支付は暮らしのあらゆる場面に深く浸透している。
こうした状況の中、店舗におけるモバイル決済の普及が推し進められていることは確かだ。小規模小売業者から、「微信支付や支付宝を導入しないと、商売に影響が出る」という声も聞こえてくる。
だが艾瑞諮詢の最新の報告書をみると、中国のモバイル設備の浸透率と決済シーンのカバー率は基本的に飽和状態に達しており、今後はオンラインとオフラインの融合や決済シーンの革新がモバイル決済成長の新たな原動力になるとみられるという。
「人民網日本語版」2017年8月2日
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