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中国シェア自転車が海外進出 慎重姿勢で悲喜こもごも

 

シェア自転車の摩拝単車(モバイク)は1日、英国・ロンドンでの営業をスタートしたことを明らかにした。過去2ヶ月間に、モバイクをはじめとする中国のシェア自転車企業が英国、日本、イタリアなど海外市場へ急速に進出しており、平均すると2週間に1都市の割合で海外市場への配置を進めている。「中国新四大発明」と評価されるシェア自転車だが、海外進出の様子は悲喜こもごもで、政策などが原因の「水が合わない」状況にも直面している。「北京日報」が伝えた。

▽第一期は750台を投入

1日、中国からきたオレンジ色の自転車が英国の首都ロンドンを走る様子が見られ。モバイクの海外進出の8番目の都市として、ロンドンにはシェア自転車750台が投入された。現在、英国ではロンドン、マンチェスター、サルフォードの3都市で、29ポンド(1ポンドは約146.2円)の保証金を支払えば、30分あたり0.5ポンドでモバイクのシェア自転車サービスを利用できる。

海外ではシェア自転車は珍しくないが、どこでも乗れ、どこでも止められ、携帯電話でロックを解錠でき、地図でいつでも位置を確認できる自転車は、ロンドンの人々が初めて見るものだ。

現在、「新四大発明」の1つであるシェア自転車が、中国から世界に広がりつつある。今年6月には、モバイクが6億ドル(1ドルは約110.7円)の融資を獲得し、国際化プロセスの加速を宣言するとともに、年内に世界の200都市に進出する計画を明らかにした。もう1つのシェア自転車大手ofoも後塵を拝することなく、シンガポールやタイなど各国への進出を加速させている。

▽公共空間の利用で注意深さを求められる先進国

シェア自転車は多くの人に歓迎されてはいるが、中国で竜巻が吹き荒れて町を次々飲み込んでいったような勢いとは異なり、各社の海外における投入ペースは非常に慎重だ。

モバイクの今回のロンドン進出の場合、第一期投入台数は750台だ。公開された報道によると、モバイクとofoが海外都市に進出する際、最初の投入台数はだいたい数百台から1千~2千台になる。国内での数万台と比べ、海外での動きは明らかに「控えめ」だ。投入台数が少ないため、「これでは利用したい人が利用できないのではないか」と疑問の声を上げる人もいる。

モバイクの海外事業責任者クリス・マーティンさんは、「私たちは(中国国内での)速い展開に慣れているが、海外での事業開拓時には、現地のリズムに合わせる必要がある。海外の都市に進出する際にはいつも、現地政府と数ヶ月にわたってやりとりやすりあわせを行わなければならず、投入する自転車の量、現地の法律法規への対応調整、停車の状況などについて話し合う。マンチェスターに進出した時には、現地政府がモバイクのために公式投入スポットと推薦停車スポットを60ヶ所提供してくれた。シェア自転車が中国で誕生したばかりの時にも、乗りたくても見つけられないという状況がみられた。海外でも時間の推移にともなってこうした問題は解決されていくだろう」と話す。

実際、シェア自転車が初めて市場に登場して無計画に拡張していった時に中国の監督管理部門が寛容に見守ってくれたのに比べ、公共空間での利用をめぐる問題により敏感な先進国では、シェア自転車各社はこれまで「先に行動、後で報告」せざるを得ず、監督管理部門と事前に良好なコミュニケーションがはかれなかったといった苦い思いを味わっている。

▽シェア自転車はハード面の向上必要

環境や文化的なずれを克服する必要があるだけでなく、シェア自転車は車体の損壊といったトラブルを免れることはできない。4月中旬には、シンガポールの少年がofoのシェア自転車を放り投げ、蹴り上げる動画をソーシャル・ネットワーキング・メディアにアップした。英国のネットユーザーは、「英国でモバイクの自転車を7台見つけたが、鍵が全部壊されていた」と書き込んだ。またGPSによる位置測定が不正確で車両が山の上や海の中にあると表示されるケースもあれば、機械錠を解除できないという問題もある。

国内外市場での課題に対し、シェア自転車企業も製品やサービスのバージョンアップを絶えず迫られている。さきにはofoの関連部門責任者が取材に答える中で、「今年10月末までに、暗証番号式機械錠を取り付けた自転車はすべて回収して電子錠に切り替える」と述べた。モバイクの責任者は、「英国などでは自転車には反射板とライトの取り付けが義務づけられ、カナダやオーストラリアでは自転車に乗る時はヘルメットをかぶるという規定があり、モバイクは製品の設計や部品などでこの規定に対応していく」と述べた。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2017年8月3日

 

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