税関総署は8日、今年7月の輸出入データを発表した。上半期に20%を超える勢いだった各月の増加率に比べ、7月の輸出増加率は11.2%、輸入増加率は14.7%で、それほど「芳しくない」ことは明らかだ。7月の輸出入の伸びが鈍化したのはなぜか。下半期に対外貿易の発展はどのような状況に直面するか。新華社が伝えた。
商務部国際貿易経済協力研究院の劉建穎副研究員は、「増加のデータだけをみれば、7月の輸出は同11.2%増加で、上半期の輸出増加率(15.0%増)に比べて3.8ポイント低下し、今年2番目に低い数字になった。(1番目の)2月には春節(旧正月)という要因があって数字が低くなったことを考えると、実際には7月が今年の最低になる。7月の輸入は同14.7%増加で、こちらも今年の最低を更新し、上半期の増加率25.7%を大幅に下回った」と指摘する。
同研究院国際市場研究所の白明副所長は、「7月の輸出入の増加率鈍化の背後には2つの直接的原因がある。1つ目は(比較の対象となる)基数が高かったこと、2つ目は人民元の値上がりだ。昨年は上半期の対外貿易の基数は低かったが、下半期は緩やかに推移し、このため対応する基数が高くなり、増加率に一定の影響を与えた。これと同時に、昨年下半期は人民元の値下がり傾向が強かったが、今年は緩やかな上昇となったため、人民元建てで計算する対外貿易額の上昇幅が縮小した」と説明する。
具体的な増加率をみずに絶対値だけをみるなら、7月の輸出入額は2兆3200億元(1元は約16.5円)に上り、5月と6月に次ぐ今年3位の数字だ。税関総署総合統計司の責任者は、「7月の増加率鈍化の原因は基数の問題であって、量は相当なものだった」との見方を示す。
白副所長は下半期の対外貿易状況を見通して、「中国の対外貿易は外部要因の影響をかなり大きく受ける。下半期の対外貿易状況は全体として増加傾向を維持するが、増加率は低下するとみられ、相場要因や基数の残存効果を度外視すると、全体として他国の平均輸出入増加水準に近づくといえる」と述べる。
劉副研究員は、「中国の対外貿易発展状況の安定しつつ好転するという基本的側面に変わりはなく、何らかの大きなリスクが発生しなければ、持続的な努力により、輸出入は安定に向かいつつ好転する流れが続くとみられる。ただ基数の影響や大口商品価格の寄与が明らかに低下するとみられることから、下半期の輸出入増加率は縮小が予想される」との見方を示す。
劉副研究員は対外貿易の持続的で健全な発展を実現するため、「技術、ブランド、品質、サービスを中核とした対外貿易競争における新たな優位性の育成により注意を傾け、対外貿易発展の質と効率を絶えず高めなければならない」と提起する。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年8月9日 |