馬雲氏率いる阿里巴巴(アリババ)集団はこのほど不動産賃貸事業に参入し、ついに不動産業界に「殴り込み」をかけた。今月9日、浙江省の杭州市住宅保障・不動産管理局と同集団傘下の革新業務事業部、アント・フィナンシャル傘下の芝麻信用が戦略的協力関係を結び、杭州市はこれからアリババの技術力とビジネス資源を利用して、全国初の「スマート不動産賃貸プラットフォーム」を構築することになった。「羊城晩報」が伝えた。
不動産仲介業者はアリババの不動産業界進出をどうみるか。広州鏈家研究院の周峰院長は、「不動産賃貸市場における最大の問題は情報のミスマッチにあり、アリババのEC事業の長所を不動産賃貸市場で生かせば、売買双方の情報のよりよいマッチングが実現することになる」と指摘する。広東省不動産業協会の竜斌氏は、「賃貸情報を同一のプラットフォームに統合し、情報の透明度を高めることは、不動産賃貸市場のモデル革新になる。このプラットフォームが発展すれば、未来の賃貸事業はより効率的になり、淘宝(タオバオ)でネットショッピングを楽しむように不動産を貸し借りするようになる」と予測する。
アリババが今回、杭州の不動産賃貸市場に参入し、成熟したインターネット商品を政府のスマート不動産賃貸プラットフォーム構築に組むことの影響は、杭州にとどまらないとみられる。住宅・都市農村建設部(省)など関係当局は、このプラットフォームを実用化させ、全国への普及をはかりたいとしている。
竜氏は、「不動産賃貸プラットフォームは全国で普及する土台が備わっている。市場があり、ニーズもあるからだ。だが現在の状況から考えると、このプラットフォームは借り手とオーナーにより多くの選択肢を提供するにとどまり、従来の不動産賃貸市場をひっくり返すほどのものではない」との見方を示す。
賃貸物件の仲介業者にとって、最も重要なのはやはり物件という資源だ。竜氏は、「仲介業者はプラットフォームの役割を演じるだけでなく、『経営』と『サービス』も担い、大量の資源を投入して物件資源を開拓し、賃貸契約成立後のアフターサービスをしっかりと提供しなければならない。そこでアリババのスマート不動産賃貸プラットフォームが業界にひっくり返るほどの影響を与えたいなら、この面への投資を拡大することが必要だ」と指摘する。
また竜氏は、「現在の状況から考えて、プラットフォームは既存資源を統合するものが多く、借り手をより多く引き寄せる力は強いが、貸し手や物件資源をより多く導入するにはどうしたらよいかは、これからの検討課題だ」と指摘する。
人民網日本語版より2017年8月14日 |