「支付宝(アリペイ)の欧州での発展の重点は、5億2000万人の中国人利用者にサービスを提供し、欧州でのネットショッピングや観光で国内同様のモバイル決済を可能にすることだ」と、支付宝欧州地区トップの劉宇氏は取材に語った。新華社が伝えた。
中国の第三者決済プラットフォームをリードする支付宝は近年、欧州市場開拓の歩みを徐々に加速している。ハロッズ、セルフリッジズを含む英国の百貨店が支付宝決済を導入。今年8月14日から、中国人観光客はバークレイズと提携する英国の商店で支付宝を使用できるようになる。
劉氏は「支付宝はヨーロッパ大陸進出の足並みも加速した。フランス、英国、イタリアなどでの提携関係構築が重点だ。フランスのプランタン・パリ、ドイツのツヴィリング専門店、ミュンヘン空港も支付宝決済を導入した。いずれも中国人観光客に人気の場所だ」と述べた。
英国では、支付宝を導入した商店は主に中国人観光客のよく訪れる場所にターゲットを絞っている。例えばロンドンのチャイナタウン、マンチェスター、バーミンガムの学校周辺のショッピングエリアで、主に中国人の留学生、観光客、短期滞在社員などを対象としており、支付宝で決済すると為替レート面で優遇される。
英国は伝統的金融業が発達しているため、英国人消費者の大多数は銀行カード決済に慣れており、モバイル決済の比率は比較的高くない。劉氏によると、支付宝は現在主に中国人を対象としており、ペイパルやアップルペイといった欧米のモバイル決済ツールとは現段階で直接の競争関係にない。
支付宝の今後の計画について、劉氏は「中国人利用者がどのように支付宝を利用して、より快適で手軽なライフスタイルを実現しているのかを、さらに多くの欧州の商店や提携機関に理解してもらいたい。また、支付宝の普及が欧州社会のデジタル化変革とキャッシュレス決済の普及をさらに後押しすることも希望する」と述べた。
劉氏は「最近、支付宝とモナコ政府はキャッシュレス決済に関する協力覚書に調印した。支付宝の上陸が、中国人観光客により良いサービスを提供し、モナコを観光客に便利なスマートシティに変えることを希望する。支付宝はこの過程で現地の商店や提携パートナーに静かな影響を与えるだろう」と述べた。
劉氏は「決済・消費習慣など利用者のライススタイルをさらにデジタル化させたいというのが、われわれのビジョンだ。この面で中国はすでに世界の前列を歩んでいる。世界的範囲で言えば、これは押しとどめられない趨勢だが、こうした変化には時間が必要だ」と述べた。(編集NA)
人民網日本語版より2017年8月14日
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