おおざっぱな統計であるが、中国国内では自動運転技術の開発を目指すベンチャー企業は26社にものぼり、その融資規模は百億元近くに達するという。7月、検索エンジン百度のCEOを務める李彦宏氏が「アポロ計画」プラットフォームを搭載した自動運転車に乗って試運転を体験したことで、人々の自動運転の未来に対する想像をより一層掻き立てている。
よりマクロな面からみてみると、自動運転は将来のスマート交通の核心を構成する一部でしかない。自動運転の実現にはまだ他の二つのソリューションによる支えを必要としており、スマート駐車とワイヤレス充電という三者が構築されることで完全なスマート交通を構築することができる。
▽自動運転を支えるスマート駐車
自動運転車は走行中のセンサーと決定能力を備え、両手をハンドルから解放させることを可能にするが、人が下車し、自動車を駐車する必要が生じた場合の駐車場探しから、駐車や料金精算など一連の複雑な行動を解決しなければならない。
こんな時、自動車にスマート駐車プラットフォームを搭載する必要がある。このプラットフォームを通じて、最も近い駐車場の位置や駐車場利用状況などの情報をリアルタイムで取得し、最適な駐車ソリューションを提供する。同時に、駐車場もこれらのサービスに対応するためのそのための関連ソフト・ハード施設や設備を備えなければならない。自動運転車に駐車場内の位置情報やGPS、駐車位置への誘導、入口や出口の自動開閉バー、電子決済など一連のサービスを提供して初めて、自動運転車が無人の場合でも駐車することを可能にする。
自動運転車は「自動運転」だけではなく、「自動駐車」にも堪能でなければならない。「運転」と「駐車」に関連するソフト・ハード技術と一連の資源はかなり異なるので、すべてを一括して携える企業がほとんどない。多くの企業は業界に跨る協力によって協同発展を求めようとしている。将来的に、自動運転企業はスマート駐車プラットフォームと緊密な協力関係を結び良好なパートナー関係を築いていくことになるとみられている。例えば、2012年に設立したスマート駐車業界のユニコーン企業であるETCP社は、中国全土200都市の駐車場600ヶ所以上と提携して、空き駐車場捜索、推薦、予約、GPS、更に電子決済サービスを提供している。これらのサービスとサービスを支えるビッグデータは、自動運転時代の「自動駐車」を実現するのに差し迫った必要な力とみられている。今年、アリババがETCP社と協力して駐車のコンタクトレス決済の普及に取り組んでいるのは、将来のスマート交通分野におけるスマート駐車技術の大きな潜在力を見据えているからだ。
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